第932冊目 一瞬で自分を変える法 (知的生きかた文庫) [文庫]アンソニー・ロビンズ (著), 本田 健 (翻訳)
- 作者: アンソニー・ロビンズ,本田健
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2012/05/23
- メディア: 文庫
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「行動」とは、精神状態の結果に他ならない
火の上を歩く時も同じだ。たしかな自信を持っている人は、堂々と、火傷もせずに火の上を歩くことができる。
しかし中には、いざその時になると怯えてしまう人もいる。最悪の状況を頭に浮かべてしまうからだろう。
あるいは、火のついた炭に近づいただけで、その熱さで自信を失ってしまうのかもしれない。そうなると、恐怖で身体が震え、泣き出したり、動けなくなったりする。
恐怖に打ち勝ち、果敢に一歩を踏み出すためにするべきことは一つしかない。精神状態を変えることだ。
人間の行動はすべて、その時の精神状態が生み出す結果だということを忘れてはならない。
力に満ち溢れ、臨機応変に対応できると思えば、無力感と倦怠感に溢れている時には絶対にやらないようなことでも、「やってみよう」と思うものだ。
火を前にして、ガタガタに震えたり、泣いたり、固まってしまったりした人たちのために私がしてあがられることは一つだ。
それは、その人の内面的イメージを変えることだ。人の上をうまく渡りきれたら、どんな気持ちがするか、その人に考えさせるのだ。
二〜四秒もあれば、その人は火の上を歩ける状態になる。呼吸のしかたも、顔の表情も変わっていくのが手に取るようにわかる。
私が「進め」と言うと、ついさっきまで恐怖で固まっていた人が、自分から進んで火の上を渡りきって、大喜びをしているのだ。
ところが、中には成功するイメージよりも、火傷をしたり、つまずいたりするイメージが大きく、明確になってしまう人もいる。そういう人を変えるには時間がかかることがある。
火のついた炭の前でパニックになってしまった人に効果のあるもう一つの方法は、生理的な変化を起こしてやることだ。
まず、私はパニックになった人に「顔を上げてまっすぐ顔を見る」ように言う。そうすることで、その人は体感覚だけでなく、視覚によってものごとを判断するようになり、ほとんど間をおかずに泣きやむ。
自分でも試してみるといい。動揺して泣いている時、泣くのをやめようと思ったら、顔を上げることだ。
胸を張って、視覚に頼ることで、ほとんど一瞬にして気分が変わる。子どもにもこの方法は有効だ。子どもが怪我をして泣いている時は、顔を上げさせると、泣きやむか、痛みがなくなるか、少なくともだいぶ楽になるはずだ。
次は、火の上をうまく、火傷もせずに歩けるという自信がありそうな姿勢で立たせ自信満々の声でしゃべらせる。
こうすれば、脳がどう感じればいいかについての新しいメッセージを受け取り、その結果、ついさっきまで恐怖で動けなくなっていた人が、目的達成のために行動できるようになる。
このテクニックは、いつでも使える。声をかけづらい人に話しかけようとする時、自分との対話に変化を加え、立ち方、呼吸方法、声の調子などを変えれば、自分の精神状態を変え、行動する力を得られる。
エクササイズをして、息が上がってきた時なども、意識的に姿勢を正し、普通に息をするようにすると、すぐに疲れが回復したように感じるはずだ。