第899冊目  その話し方では軽すぎます!  エグゼクティブが鍛えている『人前で話す技法』 [単行本]矢野香 (著)

その話し方では軽すぎます!  エグゼクティブが鍛えている『人前で話す技法』

その話し方では軽すぎます!  エグゼクティブが鍛えている『人前で話す技法』

具体的に発言する

大事なことは、曖昧な発言はしない、ということです。簡単そうに聞こえますが、話す内容すべてを正確に発言する、とうのは意外と大変です。

例えば、たある会社の株主総会で、社長がこんな報告をしたとしましょう。

「弊社は、若い人から定年後の人まで、大勢の社員が頑張ってくれております。取引先のお客様は日本中にいらっしゃいます。最近はアジアの国々からも問い合わせがあるそうです。おかげさまで、来年度はさらに売り上げを伸ばすことができそうです」

これは、次の点が不確かな報告です。

  • 「若い人から定年後の人まで」とは、何歳の人のことか
  • 「大勢の社員」とは正確には何人なのか。50人なのか、500人なのか
  • 「日本中」とは、具体的には北海道から九州沖縄までのどこなのか
  • 「アジアの国々」とは、どこか
  • 「問い合わせがあるそうです」という伝聞は、誰が話していたことなのか

などなど、突っ込んで聞きたくなるポイントが満載のいい加減な報告だと受け取られてしまいます。

では、この報告を正確な、思い報告に変えるには、どこをどう言い換えればよいでしょうか。一例を挙げます。

「弊社は、高校を卒業したばかりの十八歳から、定年後も残ってくれている七十歳まで102人の社員が頑張ってくれております。取引先のお客様も関東をはじめ、名古屋、大阪、札幌と全国にいらっしゃいます。担当者によりますと、二年前から中国、韓国といったアジアの国々からも問い合わせがあるとのことです。来年度は売り上げ前年比五%贈を目標といたします」

いかがですか。このように、内容を重くするためには、すべての発言をより具体的に、より正確にすることが必要です。

内容を正確にするポイントは三つです。ます「数字・固有名詞を示す」、次に「情報源を明らかにする」、そして最後に「推測は話さない」ことです。