第870冊目 その話し方では軽すぎます!  エグゼクティブが鍛えている『人前で話す技法』 [単行本]矢野香 (著)

その話し方では軽すぎます!  エグゼクティブが鍛えている『人前で話す技法』

その話し方では軽すぎます!  エグゼクティブが鍛えている『人前で話す技法』

聴覚ノイズを消す

ノイズには二種類あります。「聴覚ノイズ」と「視覚ノイズ」です。聴覚ノイズは耳で聞いて気になるもの、視覚ノイズは目で見て気になるものです。具体的にに見ていくことにいたしましょう。

スピーチの途中にやたらと、意味のない同じ音を繰り返す口グセの方がいます。

「え〜××で、え〜△△であります。え〜」「あ〜、その件につきましては、あ〜、なんと言いますか、あ〜」というように、「え〜」「あ〜」「ん〜」「まぁ〜」という音で言葉をつないでいくのです。

他にも、「つまりですね、〜するんですね」という「ね」型。「はい、〜しているんですね、はい」という「はい」型もいらっしゃいます。これらは聴覚ノイズですから、すべて削除してください。

また、口グセではなくて、無意識のうちに立ててしまっている音もあります。

「ちっ」という舌打ちのような音。しゃべるときにベチャベチャと鳴る音。

これを「リップノイズ」と呼びます。話している時に口から鳴る音のことです。マイクを通すと特に目立ちます。

スタジオで収録する際は、音声担当のスタッフが余計な音が出ないように、事前にマイクチェックをしたときに調整してくれますが、日常生活ではそうはいきません。そもそも音が出るクセ自体を改める必要があります。

これらの音を削除するには、トレーニングが必要です。上唇と下唇が離れるときに「べちゃ」と音がなるというのは、よくあるパターンです。緊張すると力が入り、口をギュッと結んでしまいます。いざ話そうとすると「ベチャ」という音がして軽くなるという図式です。

そうならないためには、飲み物を飲みながら話すなど、口を適度にうるおしながら、さらに話し始めに軽く口を開けておくことです。冒頭で述べたリップグロスを使わない理由は、唇同士が密着してしまい、音が立ちやすいからです。

また、舌から音が鳴る人もいます。「あいうえお」という一音ずつ発声する際に、舌の動きに変なクセがあると音がなります。滑舌練習をするなどして舌の筋肉を鍛えると、リップノイズも削除することができます。