第954冊目 和田裕美の人に好かれる話し方 (だいわ文庫) [文庫]

和田 裕美 (著)

和田裕美の人に好かれる話し方 (だいわ文庫)

和田裕美の人に好かれる話し方 (だいわ文庫)

「早口は損」を肝に銘じる


頭の中にメトロノームを置いてみる

言葉が出てこないで悩む人と反対に、言葉がたくさん出てきてしまって、ついついまくし立てるように早口になってしまう人がいます。

焦ってたくさんのことを一度に話そうとしてしまっているが、

とにかく話したい気持ちが先行して思いつくままに話しているか、

あと、相手に「時間がないから」と言われたり、

相手が時計を見て時間がないそぶりをしたのを見て「急がなきゃ」と焦ったり、

いろいろな理由があるにせよ、早口になっても、何一つ得なことはないのです。

深呼吸して落ち着いて、それからゆっくち息を吐いて、

言いたいことは何なのか、

伝えたいことは何なのか、

そして、相手が聞きたいかどうか。

反論を恐れてはいけません。

沈黙を怖がってもいけません。

まくし立てても相手は聞いてくれないし、早くなると何故か正確がキツク思われます。

それでも早口になってしまう癖がある人は、

「すいません。私はとても早口で、普段気をつけているんですが、熱が入って真剣になればなるほどついつい早口になってしまうんです。

もし私が早口になったら『早口になってますよ』と注意してくださいね」「ニコッ」

と話す前に言っておきます。

でもたいていの方は遠慮して、そんな注意をしないので、自分の話すリズムが速くなっていないかどうか、ときどき自分で意識してみます。

そこで、

「すいません。私、熱くなりすぎて、ちょっと早口になってましたよね? 聞きづらくなかったですか?」

と自分の話の腰を自分で折って流れを変えてしまってください。

早口にならないように、短いセンテンスで区切って話すようにしてくださいね。

自分の頭の中にメトロノームを置いて、一定のリズムをつくって話してもいいです。

言葉がヨガをやっているような、言葉が太極拳をやっているような、そんなイメージで息を使ってみてもいいです。

大切なことは強調したいところ――「これが大切なんです」と一番伝えたいことが何かを明確にしておいて、その話だけは声に力をいれること。

単調なリズムにならないように、たとえば、

「ズン、チャ、チャ、ズン、チャ、チャ」のリズムで、

「それで(ズン)これなん(チャ)ですが(チャ)、

すっごく(ズン)大切(チャ)なんです(チャ)」

というように、「ズン」でちょっと力を入れて、話に波をつくるのです。