第795冊目 走ることについて語るときに僕の語ること 村上春樹/著

走ることについて語るときに僕の語ること

走ることについて語るときに僕の語ること

目次


前書き 選択事項としての苦しみ
第1章 2005年8月5日ハワイ州カウアイ島―誰にミック・ジャガーを笑うことができるだろう?
第2章 2005年8月14日ハワイ州カウアイ島―人はどのようにして走る小説家になるのか
第3章 2005年9月1日ハワイ州カウアイ島―真夏のアテネで最初の42キロを走る
第4章 2005年9月19日東京―僕は小説を書く方法の多くを、道路を毎朝走ることから学んできた
第5章 2005年10月3日マサチューセッツ州ケンブリッジ―もしそのころの僕が、長いポニーテールを持っていたとしても
第6章 1996年6月23日北海道サロマ潮―もう誰もテーブルを叩かず、誰もコップを投げなかった
第7章 2005年10月30日マサチューセッツ州ケンブリッジ―ニューヨークの秋
第8章 2006年8月26日神奈川県の海岸にある町で―死ぬまで18歳
第9章 2006年10月1日新潟県村上市―少なくとも最後まで歩かなかった
後書き 世界中の路上で


職業作家に必要な筋力


優れたミステリー作家であるレイモンド・チャンドラーは「たとえ何も書くことがなかったとしても、私は一日に何時間かは必ず机の前に座って、一人で意識を集中することにしている」というようなことをある私信の中で述べていたが、彼がどういうつもりでそんなことをしていたのか、僕にはよく理解できる。


チャンドラー氏はそうすることによって、職業作家に必要な筋力を賢明に調教し、静かに志気を高めていたのである。そのような日々の訓練が彼にとっては不可欠なことだったのだ。


あなたに、すべての良きことが、なだれのごとく起きますように♪


今日の声に出したい言葉


慎重な性格だったとしても、基礎に関しては慎重になり過ぎるということはまずありません。基礎問題を見ただけでスラスラ答えが出てきて全て正解であればロスタイムはほとんどありませんし、仮に本格的に解いたとしても勉強を開始する際のウォーミングアップになります。――荘司雅彦


編集後記



走ることについて語るときに僕の語ること

走ることについて語るときに僕の語ること