第786冊目 不可能を可能にする最強の勉強法 吉田たかよし/著

最強の勉強法 (PHP文庫)

最強の勉強法 (PHP文庫)

目次


第1章 それでも「灘高式勉強法」がすごいわけ―原理論
第2章 やりたいことをやる!最強の勉強法―マルチ勉強論
第3章 勉強は時間と場所を選ばない!―時間活用論
第4章 記憶力の秘密はマンガにある!―記憶力論
第5章 本は最初から読んではいけない―テキスト論
第6章 資格試験では超リアリストになる―受験論
第7章 本当に大事なことは人に教わる―人脈構築論


記憶するべきものは大声で暗唱する


先ほど説明したように、灘高校では思考力を重視したことが学力向上に大きく寄与しました。しかし、その反動として、生徒全体が単純な記憶を見下す風潮に陥っていました。いくら思考力が大切だといっても、どうしても記憶に頼らざるを得ない学習事項はたくさんあります。そこで、灘高校では、記憶すべき内容を大声で暗唱させられました。古文の助動詞の活用、理科の定数、数学の公式などです。


こうした重要事項は、思い出そうと努力すればなんとか思い出せるぐらいの浅い記憶では不十分です。体で覚え、瞬間的に口から出てくるぐらいにしっかりとした記憶でなければ、自由に使いこなせません。そのためには、暗唱はもってこいです。うろ覚えの状態から、自分の血や肉として使いこなせる記憶へランクアップさせることができるのです。是非、あなたも暗唱を取り入れてください。


暗唱を効果的に行うには、いくつかコツがあります。まず、呼吸法をチェックしてください。胸式呼吸で暗唱しますと、のどに力が入り、声帯を痛めます。さらに、首から上だけを使った運動になりますので、記憶の効率も落ちてしまいます。一方、腹式呼吸で暗唱すると、より全身を使った運動となります。当然、記憶しやすく、記憶の定着も長期間となります。


腹式呼吸の仕方がわからないという方、ご安心ください。ここで丁寧にご指導しましょう。人間の呼吸の方法には、二種類があります。肋骨を上下に動かして息を出し入れする胸式呼吸。そして、横隔膜を上下に動かして息を出し入れする腹式呼吸です。


ですから、腹式呼吸を行うときはできるだけ肋骨の部分は動かさないように注意してください。そして、丹田と呼ばれる、おヘソの二センチから三センチぐらい下の部分に意識を集中してください。息を吸うときは、空気をお腹の中に入れるような気分で、おヘソの下の部分が前へせり出すように行ってください。逆に、息を吐くときは、おヘソの下の部分から息を絞り出すように行いましょう。


あなたに、すべての良きことが、なだれのごとく起きますように♪


今日の声に出したい言葉


成長したければ、居心地のいい空間で知人と群れるのではなく、アウェイに出て、異質なものと交流すること。人はそうやって磨かれるのだと思います。――土井英司


編集後記



最強の勉強法 (PHP文庫)

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