第751冊目 ツキを呼びこむ「ひと言レター」 メール感覚! 杉山美奈子/著

目次


第1章 手書きでいいことが起こる!ツキを呼びこむ「ひと言レター」(私が「ひと言レター」を書く理由
「ひと言レター」で、どんなツキが訪れるの? ほか)
第2章 「ひと言」を手書きにするだけで、コミュニケーションがうまくいく!(ビジネス書類の“部分手書き”をする
ビジネス書類の文末に、手書きの添え書きをする ほか)
第3章 「ひと言」で魅せる!伝わる。発表!新しい手紙スタイル(最初に相手の名前を書く
用意するものは全部で4つ ほか)
第4章 これで差がつくもっともっと伝わる「書き方」の技術(より伝わる「書き方」をめざす
最初に相手のことを書く ほか)
第5章 できる人が実践している「ひと言」添えて、わくわく、ときめきを贈る技術(「できる人」は、特別な贈り方ができる人です
「ひと言」を添えると、贈り物に物語が生まれる ほか)


最初に相手の名前を書く


わざわざ文書を用意しなくても、すぐに書けるようになる方法があります。


私がこの本で提案したいのは、「ケータイメールのような話し言葉に近い文面を手書きにしましょう」ということ。それによって、もっともっと気軽に、手紙でコミュニケーションをとりまくりましょうということです。


手紙のマナーにのっとって、「拝啓」「一筆申し上げます」から書きはじめなれければ……という固定観念が、私たちを手紙から遠ざけてしまいます。


書き出しは、会話のように、読み手も書き手のあなたも、かしこまらないようにする書き方。それが理想です。


また、メールが身近になった現在、思い立ったら、相手とすぐにコンタクトがとれるので「拝啓」や「時候のあいさつ」は省いて、伝えたい想いから書き始めては、と思うのです。


そこで、「○○様」「○○さん」と、相手の名前から書きはじめてみましょう。相手の顔が浮かび、伝えたい言葉が浮かび上がってくるはずです。英語の手紙の「Dear」の感覚です。


「○○さん、おひさしぶりです
おわかりありませんか?
夏休みはもうすぐですね
楽しい夏をお過ごしください
とはいえ、夏バテしないように気をつけてくださいね」


相手と合ったときに、最初に言いたい言葉、伝えたい気持ちを照れずに。顔が見えないことを利用して、ときには大胆に。でも恥じらいは忘れずに。


そんな手紙を書くために、相手の名前から書き出します。これなら特別な用件がなくても書けます。とくにご無沙汰している相手とコンタクトをとりたいときに、おススメです。メート違い、手紙なら相手の返信を気にすることなく、自分の投げかけだけで、コンタクトがとれるのです。


そして結びで「お体大切になさってください」「時節柄、くれぐれもご自愛ください」と、思いやりを伝えます。


手紙は「相手の心に近づく魔法の紙」です。書き出しと結びで相手を気づかうと、たがいの心が近づきます。「自分の身内に書くような気持ち」で書くと、言葉に想いがこめられます。


あなたに、すべての良きことが、なだれのごとく起きますように♪


今日の声に出したい言葉


人は普通、ただことばを聞いたり読んだりすれば理解できると思っている。ところが、読んだ1冊から何か引用してみてくれというと、ほとんどの 人は1行もそらんじることができない。ニーチェは、それは読書をする怠け者だだ、そらんじることもできないでわかったつもりになるなと叱る。私も「声を出 して読むことを提唱する者」として、ニーチェのことばは非常に心強い。――齋藤孝


 

編集後記