第750冊目 話させ上手の言葉のルール どんな人とも気まずくならない 金井英之/著

「話させ上手」の言葉のルール

「話させ上手」の言葉のルール

目次


1章 なぜ、あの人とは話しにくいのか?
2章 気まずさが一生なくなる「いい質問」のしかた
3章 相手が何を話したいかを見抜くコツ
4章 「話させ上手」がしているカンタンな習慣
5章 自信をもって話せるためのポイント
6章 いい出会いが、いい人生をつくる


あいさつは「先手必勝」


「おはようございます。今日もよろしくお願いします」


朝、顔を合わせた瞬間に明るく大きな声であいさつをされて不愉快に思う人はだれもいないでしょう。


この先手を打って明るい大きな声であいさつをするということが、簡単なようでなかなか難しいことです。そしてこれができない人が多いのです。


ほとんどの人が朝、職場に来ても「おっす」だとか「おはよっす」と小声でボソッと言って頭をピョコンと下げて終わりです。それも相手からされて返すあいさつがほとんどです。これではあいさつをしたとはいえません。


あいさつには、心を開いて相手に迫るという意味合いがあります。


したがって、あいさつは(私はあなたのことが好きですよ)という意思表示をしているわけです。だから、相手にあいさつをされてから返したのでは意味がありません。相手がする前に先手を打ってあいさつをするところに意味があります。


明るく大きな声であいさつをして、相手の眼を見てていねいにおじぎをするところに価値があるのです。


きれいな鉢植えの花を買ってきて窓辺に置いても、いつの間にか外の太陽のほうに向いてしまいます。感情のない植物だって明るいほうに向くのです。ましてや感情の動物である人間は明るいもの、爽やかなもの、はつらつとしたものに好感を抱くのは当然のことです。


あいさつというと「おはようございます」「こんにちは」「はじめまして」ぐらいにしか考えていない人が多いのですが、これらはあいさつのほんの一部です。


食事をご馳走になったら翌朝すぐに電話をして「昨日はご馳走様でした」とお礼を言うことです。お歳暮、お中元をいただいたらすぐに「このたびは結構なものを頂戴して有難うございました」とすぐにお礼を言うこと、職場をでるとき「お先に失礼します」これも大事なあいさつです。


あいさつは、ふつう下の者が上の人に先にするのが順序です。若い人から年配者へ、新入社員から先輩・上司に先手を打ってあいさつをしなければ認めてもらうことはできません。しかし、若い人のなかにはあいさつすらできない人がいます。


部下が先にあいさつをしないからといって(上司の俺が先にあいさつをするわけにもいかない)と言っていたのでは、いつまでたっても職場を改革することはできません。


あいさつは、上の人からやってはいけないという決まりがあるわけではありません。


若い人はあいさつをしなければ絶好のチャンスです。上の人から率先してあいさつをしましょう。何日か続ければ必ずあなたの顔を見れば若い人が先にあいさつをするようになるでしょう。


あなたに、すべての良きことが、なだれのごとく起きますように♪


今日の声に出したい言葉


私の勤める予備校で、トップレベルの生徒は、みんな異様に謙虚ですよ。それが一番近道でと知ってるんですよね。トップレベルの大学を目指すような生徒たちは、教師たちが言うことを素直に受け入れて、教師たちの能力を早く吸収しようとしてるんです。――安河内哲也

 

編集後記




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