第733冊目 ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 キングスレイ・ウォード/〔著〕 城山三郎/訳

ビジネスマンの父より息子への30通の手紙    新潮文庫

ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 新潮文庫

目次


実社会に出発する君へ
あえて挑戦を(第一通)―名門私立大学に合格したが気おくれし、やっていけるだろうかと迷っている君へ。
教育の設計(第二通)―いつ、何を、どう勉強すれば、充実するのか、将来に備えて。
成功について(第三通)―父親にかなわない?いずれ父親を振り回すようになるのに。
惰性的な生き方には(第四通)―「ミソサザイの翼で鷲のように飛ぶ」ことはできない。下降する成績に歯止めを。
実社会での最初の日々(第五通)―いよいよ実業界に足を踏み入れたが、一抹の碑安を感じないではいられない君に。
誠実さの代価(第六通)―ビジネスで最も重要なルールは君が真実を語らなかったと、決して人に言われないことだ。
「企業家」とは何か?(第七通)―冒険心と自信。危険への備えはどうするのか。
経験の重みに代えて(第八通)―新たに販売部長に就任した君。経験が基本条件の部署だが、しかし君にはそれがない。
部下との衝突(第九通)―衝突で何を得、何を失ったか。回避の道はなかったか。〔ほか〕


講演は自信を持って


まず、口について話そう。口から言葉を出す、その出し方は非常に大切である。言葉の発音を明確にして、聞き手が君の言うことを容易に理解できるように、話し方を練習するといい。テーマはすばらしいのに、理解できない言葉や表現が多いために、内容がほとんど通じない演説を私は何回か聞いている。言い回しの適切さ、発音の明確さ、あるいは充分な声量に欠ける、論旨が曖昧になり、摑めなくなってします。


講演の草稿はすぐにでも用意するように。話す練習のほうがずっと時間をとるからである。まず草稿を誰かのまえで大きな声で読みあげ、はっきりと通じない言葉があれば指摘してもらう。舌の回らない言葉があれば、言い易い言葉に替える。


原稿を精一杯推敲したら、書見台のまえに立ち、マイクを使って練習する。いよいよ鏡に向かって演説をするわけだが、口はマイクから六ないし八インチの距離に保つこと。さもないと君の声はヨーヨーみたいに、ハード・ロックから夜のしじまの声量へとび跳ねて、非常に聞き取りにくいだろう。体重を両足に均等に載せて立ち、体をゆすったり、かがみこんだりしないこと。さもないと、聴衆は気が散って、話の集中できなくなる。彼らにしても、一言も聞き漏らしたくない。


あなたに、すべての良きことが、なだれのごとく起きますように♪


今日の声に出したい言葉


「自分の運命を甘受せよ。あらゆる面で一位に立つことはできない」――イソップ

 

編集後記


連日、信じられない映像が流れています。


映画のようでとても現実とは思えません。


非現実的な映像を見て間接的にPTSD心的外傷後ストレス障害)になることもありますので、小さいお子さんなどにはあまり映像を見せないほうがよいと思います。


みなさまのご無事を心よりお祈りしています。


ビジネスマンの父より息子への30通の手紙    新潮文庫

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