第707冊目 仕事力 青版 朝日新聞社/編著 北城恪太郎/〔ほか著〕

仕事力 青版 (朝日文庫)

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目次


いま持てる全力を注ぐ―北城恪太郎(日本アイ・ビー・エム最高顧問)
基礎仕事力が翼となる―林真理子(作家)
命の限り、人は仕事―新藤兼人シナリオライター、映画監督)
背骨となる価値観はあるか―丹羽宇一郎伊藤忠商事取締役会長)
サバイバルは当たり前―羽生善治将棋棋士
自分の得手で、人を応援する―水野正人(ミズノ代表取締役会長)
ポジションをつかめ―齋藤孝明治大学教授)
硬くなる頭と闘う―安藤宏基(日清食品ホールディングス代表取締役社長・CEO)
決断によって、キャリアは育つ―橘・フクシマ・咲江(コーン・フェリー・インターナショナル日本担当代表取締役社長)
「面白い!」の連続をめざせ―吉田忠裕(YKK代表取締役社長)
働きがいをつかんで生きよ―立石義雄オムロン代表取締役会長)
新しいアングルを探し求めよ―茂木友三郎キッコーマン代表取締役会長CEO)
知と想像力がパワーである―猪口邦子衆議院議員
一緒に泣き、笑ってこそ仕事―石原邦夫(東京海上日動火災保険取締役会長)
まだまだである―武豊(騎手)


まず、社員の一員になって欲しい
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林真理子(作家)


入りたい会社の就職試験に落ちるとどれほど傷つくか、超就職難の時代の大学を出た私はよく分かります。何しろ七十何社から落とされましたから。就職試験は初めて人からの評価を受ける試験です。学生時代のように、面白いから付き合いたいとかではなく、完成された人間としてのレベルを見られる。その面接をすべて失敗したのですから、私は社会にとってそこまで必要のない人間なのかと大変なショックでした。


それなら手に職を着けようとコピーライターの専門学校に通い始めたのですが、あくまでも社会人として会社勤務をするんだという思いは持ち続けていました。受け入れられなかった。


そのまじめさがいま書くものにも反映しています。なんて自分で言ってれば世話がないのですが(笑い)。


社会人として認められることを馬鹿にしたり、あきらめたり、あるいは最初から野心だけで突っ走るのは嫌いですね。「オレは満員電車には乗れない人間だと思ったから、勤めて3日で辞めたんだよ」なんて自慢げに言ってるヤツ。フリーになって成功した人の美談のような伝わり方をするけど、何十万人、何百万人がみなその満員電車に耐えて仕事をしているのです。そいういう人を否定したり、馬鹿にしたりする考え方には不快感を覚えますね


あなたに、すべての良きことが、なだれのごとく起きますように♪


今日の声に出したい言葉


メモを取るのはドイツにいた幼少のころに学んだ。当時、私はトランペットを習っていたのだが、練習のとき、先生がこと細かに指導する。私が黙って聞いてい ると、「なぜメモを取らないのか」とひどく怒られた。「メモを取らなければ、せっかく教えても、すぐ忘れてしまうだろう」と。――伊藤真


 

編集後記


仕事力 青版 (朝日文庫)

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