第702冊目 かばんはハンカチの上に置きなさい トップ営業がやっている小さなルール 川田修/著

かばんはハンカチの上に置きなさい―トップ営業がやっている小さなルール

かばんはハンカチの上に置きなさい―トップ営業がやっている小さなルール

目次


1章 相手目線で、ちょっと違うことをやる(土足で家に上がる営業 私たちは、「お客様」ではない ほか)
2章 「ちょっと違うこと」から気づく、大事なこと(テクニックは、人真似から始まる 真似の先に、大きな変化がある ほか)
3章 営業マン・ウーマンは弱いものである―自分の弱さを認めるということ(「夢」を本音で書き出すと、一歩前進できる 仕事に打ち込むために、家族と別居する ほか)
4章 そんな私も新人でした。営業現場で一から学ぶこと(新人時代だから持てる武器 出直しは「後日」ではなく「翌日」に ほか)
5章 営業とは、お客様と物語を作る仕事である(営業マニュアルに込められた、本当の意味 営業とお客様の頭の中は、こんなにも違う ほか)


座って待つのはお客様だけ


「こちらで少々お待ちください」


受付の人に連れられて、応接や会議室などに通されてお客様を持つことがあります。


席の横にカバンを置いて(土足ですからここではハンカチは敷けませんね)、椅子を引き、椅子に座る。


……ちょっと待った!


私の経験上、「座ったダメ」なんです。


前職のリクルート時代、私は所属部署でも、?有名な?クライアントを担当することになりました。営業の先輩がマネージャーに昇進したことで、そのクライアントを引き継いだのです。


そのクライアントはある学校法人で、そこに理事長が名物理事長で、営業を育ててくれる厳しいお客様と社内でも評判の人でした。


それは引き継ぎが終わって初めてそのクライアントに一人で訪問したときのことでした。受付の女性から「こちらでお待ちください」と応接に通されました。


私は応接の末席に座り、緊張の中その理事長が現れるのを待っていたのです。すると5分くらいで、理事長が現れました。私を見るなり


「お前! 何座ってるんだ!」


「お前は何様だ! 出て行け! 二度と来るな!」


建物中に響き渡るくらいの大きな声で怒鳴りつけられたのです。


そのまま一言も話すこともなく、私は会社に戻りました。


会社に戻るとすでにその名物理事長から上司に電話が入っていて、私は何とも納得のいかない気分で、でも恥ずかしくてしょうがなかったということがありました。


次に日に朝一番で7時半頃(その理事長が出勤する前に待って)、上司と一緒に謝ったことを今でも鮮明に覚えています。


そのときは正直「何で?」という気持ちもあり、すぐには理解できませんでしたが、今は本当に感謝しています。


まさに「お前は何様だ!」なんです。


駐車場の話も全く同じです。


私たちは「お客様」ではない。


このことは、どんな場面でも、忘れてはいけないのです。


あなたに、すべての良きことが、なだれのごとく起きますように♪


今日の声に出したい言葉


「友人は、すべてを知りながらも愛してくれる人間である」――エルバート・ハバード

 

編集後記




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