第６８７冊目 目のつけどころ 山田真哉／著

目のつけどころ

下手な自分に気づこう

物事を上達させられるかどうかは、往々にして、自分を違う立場から見られるかどうかにかかっている。逆に言うと、自分を客観視できるようになれば、物事はあっという間に上達する。

ある人が「すぐできるスキーの上達方法は、ビデオを撮ってそれを自分で見ることだ」といっていた。

目のつけどころをよくした、という場合も、基本的には同じこと、視点移動をすればいい。

会議室で会議をしている人から会議室にいない人へ、あるいは話している人から聞いている人へ、ポジションを変化させる。

そうすることで、「目のつけどころがいいね」といわれるようなアイデアが出せるようになる。

視点を変えて初めて気づくこと、それが学びなのだ。

話をビデオによる学習に戻すが、私自身、この方法の効果に驚かされているひとりだ。

予備校講師をしていたこともあって、私は人前で話すのは得意だと自負していた。会計士になって、講演活動を行っている間も、自分は名演説をしているとずっと思っていたのである。

それが、結婚して妻が講演を見に来ることがあって、ダメだしをされた。そんなはずがないだろうと、自分でビデオを回して驚いた。名演説をしているとばかり思っていた自分はたしかに、早口だし、しゃべりは下手だし、声は高くて聞き取りにくい。

講演をする人と、それを聴く人。こんなに受ける印象が違うのかということに気づいた。

講演でなくとも、プレゼンテーションや打ち合わせで話す機会はビジネスパーソンなら多いだろう。しかし、人は以外に自分を外から見る機会が少ない。

だからこそ、ICレコーダーやビデオカメラを使って自分自身を別の視点から見ることは有効だ。文章も必ずプリントアウトしてチェックしたほうがいい。

あなたに、すべての良きことが、なだれのごとく起きますように♪

SONY ステレオICレコーダー 4GB SX813 ブラック ICD-SX813/B

目次

序の部　目のつけどころとは何か
１の部　分析で視点を増やす
２の部　視点をアイデアに変換する
３の部　説得は、掛け算
箸やすめの部　山田真哉の正直な告白
４の部　３秒で目をつける

今日の声に出したい言葉

新しく覚えた知識を、自分なりにアレンジし、何度も繰り返し練習することで、それはやがて自分の血となり肉となる。すると、あなたの作り出す結果は劇的に変わってくる。あるセミナーで、とある優秀な営業マンの妻が、「うちの主人の話し方は、あなたそっくりだ」と言って驚いていた。それは彼がわたしの話し方を真似して練習し、自分のものにしたからである。――トム・ホプキンス

編集後記

自分の声は自分が思っているよりひどい。

普段は自分の声と頭の中で響いている声で聴いているので、自分の声のみを聴く機会がありません。

iCレコーダーなどで録音した自分の声は、空気伝導によって伝わる音のみを録音します。

初めて録音した自分の声を聴くと違和感を覚えるのは、このためです。

目のつけどころ