第645冊目 ドラッカーが教える営業プロフェッショナルの条件 長田周三/著

ドラッカーが教える 営業プロフェッショナルの条件

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劣後順位をつける
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「する必要のまったくない仕事、時間の浪費である仕事を見つけ、捨てなければならない」――経営者の条件

「次にくる一歩は体系的な時間の管理である。時間を浪費する非生産的な仕事を見つけ、排除していくことである」――経営者の条件



よく優先順位をつけると言いますが、このつけ方に問題があることが多いようです。よくある間違いは、「急ぎである」というだけの理由で、優先順位を与えてしまうことです。急ぎであることと優先であることは違います。「優」ではない分だけ違います。


「優」の持つ意味は何でしょうか。優れたもの、より価値のあるもの、より重要なもの、などの意味があります。急ぎであるだけでは優先であるわけではありません。重要なことであるという条件が付くのです。重要なことが優先で、かつ急いでいることが最優先です。


以前、フランクリン・コビーのウェブサイトで、自分の過去1週間に行った事柄が書き出して、どのように時間を使ったかを確認したことがあります。結果は無残なものでした。自分では考えて時間を使っているつもりでしたが、違っていました。


やり方は簡単です。優先順位を付けるときに使う、縦軸が重要度(上に行くほど高い)、横軸が緊急度(右に行くほど高い)のマトリクスを作ります。過去1週間の行動をすべて書き出し、どのように分布するかを見るのです。


私の場合には、右上のセル、重要度も緊急度も高いものがかなりありました。同時に左下が多くなるのです。つまり、重要でも緊急でもない、どうでもいいことに時間を使っているのです。右上の行動でためたストレスを左下の行動で解消しているということでした。


何から手をつけたらいいかわからなくなって、つい手近にあるものを片付けてしまうことはありませんか。私の場合、机について原稿を書いていても、行き詰まるとメールチェックをしたりネットオークションを覗いたりします。


同じマトリクスを使って、予定に優先順位をつけることができます。今度は過去ではなくて、これから2週間の予定を書き出してマトリクスに、入れてみてください。どんな仕事の仕方をしているか、自分の目で確かめると、意外な発見があります。


右上のセルが多い人は、大事な仕事が雑になりミスを起こす心配があります。右下が多い人は、忙しい割には成果が上がらないかもしれません。左下が多い人は、仕事を仕分ける必要がありそうです。左上が多い人は、質の高い仕事ができていそうです。


あなたにすべてのよきことが雪崩ごとく起きますように♪


目次


イントロダクション 本書を理解するための2大原則
序章 営業パーソンへのドラッカーからのメッセージ
第1章 貢献と成果の章
第2章 時間管理の章
第3章 計画・行動の章
第4章 能力の章
第5章 成長の章
第6章 コミュニケーションの章


今日の声に出したい言葉


「物ごとには、本来、善悪はない。ただわれわれの考え方いかんで善と悪とが分かれる」――シェイクスピア


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