第612冊目 汗出せ、知恵出せ、もっと働け! 講演録ベストセレクション 丹羽宇一郎/著
- 作者: 丹羽宇一郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/11
- メディア: 単行本
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目次
第1章 二十一世紀日本の光と影―イノベーションと格差社会
第2章 巣立つ若者たちへ贈る
第3章 M&Aとコーポレートガバナンスの行方
第4章 企業改革に終わりはない
第5章 エリートなき国は滅ぶ
第6章 「人を動かす経営」とは何か
第7章 日本は「人と技術」なくして成り立たない
第8章 WFPの活動と国際貢献
第9章 稼いだ金は、誰のものか?
第10章 曲がり角に立つ日本とリーダーの使命
第11章 地域飛躍の戦略のために
ろうそくの火で1日10時間勉強する子ども
まずガリッサという、首都ナイロビから北東に4キロほどのところにある地区に行きました。そこにはWFPの食糧配給サイトがあります。干ばつの被害にあっている放牧民のために設置されたサイトで、私も配給のお手伝いをさせていただきました。
彼らの中には配給日になると、何時間も、あるいは何日もかけて、サイトに来る人もいます。
配給するのは、お米、豆類、穀物、それからオイルなどです。ここでは1人ひとり、受取りの確認をし、同じ人が何回も取りにこられない仕組みになっていました。
そこからさらに70〜80キロ北東に行ったところにダダーブというところがあります。そこではソマリアから来た14万人の難民が暮らしており、多くの難民キャンプの方々と話をしました。ある女性は、ソマリアから逃れてくる途中に子どもを1人亡くし、ようやくキャンプにたどり着きました。10日以上も1人で歩いてきたそうです。またある若者は、ソマリアの大学の法学部に在籍していたのですが、あまりに危険だということで、この難民キャンプに来たとのことでした。
キャンプの中にある病院にも行きましたが、ほとんどがマラリア患者です。あるお母さんは、マラリアで衰弱している子どもを抱えて、うつろな目をしていました。もうこの子の先はないのだということを達観しているのだろうか。そう考えると、じつにやりきれない思いがいたしました。
また、ナイロビの中心から車で20分くらいの場所には、キベラというところがあります。ここは世界最大のスラム街です。100万人以上の人口がいると思いますが、エイズの温床になっているような場所です。
どぶ水が流れている横に掘って小屋があります。ゴミもあちこちに散乱しています。蚊もいます。私はマラリア蚊に刺されないよう、肌をできるだけ出さないようにしていました。
ここでは、ある1軒の家を訪問しました。両親はエイズで亡くなって、子どもが4人で暮らしていました。長男は大学生で、大変しっかりした子でした。
「君これからそうするんだ」
と私が聞きますと、彼はこう答えました。
「お父さん、お母さんに代わって、きょうだいの面倒を見る」
彼には妹が2人、弟が1人います。しかしきょうだいのうち、2人はエイズ患者です。彼は大学を卒業したら、ケニアのために働きたいということでした。志が非常に高く、1日10時間、勉強をしていると言います。電気はもちろん通っていませんから、ろうそくの火で勉強しているわけです。
翻って日本はどうか。これだけ環境に恵まれていて、1日10時間勉強する子どもはいるでしょうか。おそらくいないでしょう。私も自ら反省し、また大いに刺激をうけました。
あなたにすべてのよきことが雪崩ごとく起きますように♪
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今日の声に出したいコトバ
こんなバカな、理不尽な上司がいるのも自分のせい、業績があがらないのも自分のせい。そう思えるような人は、どこに行っても成功するでしょう。――小宮一慶
今日の感想
自分がいかに怠けているか、言い訳ばかり言っているかを自覚しました。心から勉強したい、家族を自分が助けるんだという、強い情熱がろうそく火で1日10時間勉強を可能にするのですね。
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