第543冊目 仕事ができる人は声が違う 楠瀬誠志郎/著

仕事ができる人は声が違う

仕事ができる人は声が違う

目次


第1章 コミュニケーションは声から始まる
第2章 声は変えられる
第3章 自分の声のタイプを知る
第4章 仕事に役立つ「伝える技術」
第5章 職業別に役立つ「伝える技術」
第6章 「ゆるめて」、「響く」身体をつくる


声は見えない履歴書
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声は姿形より、あなたの本質を語っています。言葉の端々に表れる声の響きに、ふだんは表に出さない性質や生活習慣が表れるものです。


初めて会う方が、とてもおしゃれでよく抜群の美人でも、挨拶した瞬間に「えっ、こんな声?」とがっがりすることがあります。いつもソファに寝ころがってテレビを見たり雑誌を読んだりしているような生活をしているのだろう、不規則な生活でコンビニのお弁当ばかり食べているのではと、声が教えてくれます。


声は目に見えない履歴書でもあるのです。あなたが学生時代にどんなスポーツをしていたか、どんな性格なのか、ふだんの暮らしはどうか、椅子に座る生活なのか、正座になれている方なのか、北国育ちなのか……。さまざまなことがわかります。


私が面接官なら、まず声を聞きます。そして配属する部署を決めます。顔を見なくとも、声でその人となりがわかるからです。「彼は声が高いけれど、腰が弱いだろうな」、「コイツは全然響きが出ていないから、説得力がない」、「ドンとまっすぐ声を出すのは武道をずっとやってきた人間だな、根性がありそうだ」、「語尾があいまい、消えるようなしゃべり方。椅子だけ座る生活をしてきた」など。


外見は服や髪型で、女性なら化粧で繕うことができますが、声は繕うことができません。見えないから、無防備なのです。本当の声を見つけることで、さまざまな可能性が生まれてきます。本当の声は、かけがいのない個性なのです。


あなたの周りの人の声を聞いて、「もっとやさしく話せないものか」「甲高い声で何だかイライラする」「社長に話しかけるときだけは、別人みたいな声を出すなんて」など感じることがあるように、あなたの声も常に他人に評価されています。話をしている最中は、自分を声を聞く余裕はないので、ついつい忘れてしまうのですが。


人は見えないものに、畏敬の念を抱くと同時に、違和感や恐怖さえも敏感にキャッチします。目に見える姿形、外見よりも、見えないからこそ、声のインパクトは強烈なのです。だからこそ、自分の声はどんな性質で、どんな印象を与えているのか、自らの声を知ることは、とても大切なことです。


あなたにすべてのよきことが雪崩ごとく起きますように♪


今日の名言


人によって態度を変えない。話す言葉は、丁寧なのが当たり前です。だから、プライベートな時間でない限り、ある程度は丁寧な言葉で話すことです。人を選んで話し方や態度を必要以上に変えるのは、イヤな感じですし、これは明らかに差別なのです。――和田裕美


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