第538冊目 声と言葉の教科書 勝てる日本語、勝てる話し方 福沢朗/著
- 作者: 福澤朗
- 出版社/メーカー: 東京書籍
- 発売日: 2009/07/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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目次
第1章 声は心の震えである(赤ちゃんの伝達能力をとりもどす
「心の震え」をこめて ほか)
第2章 伝達能力を高める秘訣(伝達能力向上の三つの処方箋
緊張感をほぐす「グーパーマッハ」 ほか)
第3章 勝てる日本語、勝てる話し方(おすすめの日本語
耳障りなコトバ ほか)
第4章 勝てるコミュニケーション術(会話>手紙>メール
自分のポジションを見極める ほか)
第5章 声をよくする「とっておき」訓練法(本当の自分の声
いい声を出すための体感覚 ほか)
母音を制するものは発音を制す
日本語を話すときに一番重要なのは母音の発音です。まず母音が明るく発音できないと、その人の喋りは暗いものになってしまいます。実は、喋りがはっきりしないとか、暗く聞こえる人というのは、母音の中でも特に「お」と「う」の発音が不明瞭な場合が多いようです。
これは、口を動きから察した方も多いと思いますけれども、「あ」「い」「え」というのは口を大きく開くので、明るく外にパーンと音が出やすいのです。ところが「お」「う」は、いずれも口を少しふさいだ形で出すので、意図的に前に出そうとしないと音がこもりがちになるのですね。だから、喋り声が暗い人、あるいは元気がないように聞こえる人というのは、だいたい「お」と「う」の音が暗い。
この「お」と「う」をより明瞭に出すために、滑舌棒を使ってもいいのですが、口をちゃんと尖らせて、今よりもう少し大きく開けて、「お、う、お、う」とくり返し言う訓練をするといいのです。「オウ、オウ、オウ、オウ」とオットセイの鳴き声みたいなので、これを「オットセイ訓練法」と名付けましょう。
さらに母音の話にからめて言いますと、「劇団四季発声法」があります。劇団四季が実際にしているという独特な発声練習なので、私が勝手にこう命名しました(劇団四季では「母音法」と言うようです)。劇団四季のミュージカルって、ものすごくセリフが聞き取りやすいです。他のいわぬる商業演劇とは発声方法かか違うなあというのを、観に行かれた方は感じていると思います。
四季の団員の方々はまず、すべてのセリフの子音を消して母音だけで稽古するのです。どうやるかというと、たとえば、「あいうえお」ならそのまま「あいうえお」。「かきくけこ」なら、これを「くあ、くい、くう、くえ、くお」と子音と母音に分解して、「く」を除いて母音だけで発音します。つまり「かきくけこ」も「あいうえお」となるけです。この原理で、「滑舌棒訓練法」でも使った北原白秋の「五十音」を発音してみると、
あめんぼあかいなあいうえお
うきもにこえびもおよいでる
かきのきくりのきかきくけこ
きつつきこつこつかれけやき
というのが、
あめんぼあかいなあいうえお
ういおいおえいおおおいえう
あいおいういおいあいうえお
いうういおうおうあええあい
となります。おわかりになりますか? これ、最初は難しいかせしれませんが、慣れると誰でもできるようになります。あきらめないで練習してみてください。必ず効果があります。
劇団四季ではこうやんて母音をしっかりと出せるようになってから、子音を付けてセリフを喋ります。こういう訓練をすると、若干クセのある喋りになりますが、母音も子音もちゃんとクリアになって、たくさんのお客さんにセリフをしっかりと聞かせることができるのです。
あなたにすべてのよきことが雪崩ごとく起きますように♪
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