第537冊目 最短で結果が出る超勉強法 荘司雅彦/著

最短で結果が出る超勉強法 (講談社BIZ)

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「意味もわからず頭にたたき込むこと」の意味
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説明すると、さっそくこうおっしゃる方が現れそうです。


「わかった、わかった。子供には詰め込み教育をすればいいんだろう」


ちょっと待って、早合点しないでください。


子供に詰め込み教育を施すのは、もちろん結構です。しかし、その前に、まず自分でやってみましょう。


記憶力が年齢に関係ないことはすでに説明したとおりですから、「詰め込み」も「丸暗記」も、年をとってからでも十分にできます。いや、十分にできるどころか、「詰め込み」や「丸暗記」を普段から行うことによって、あなたの能力は飛躍的に向上するのです。なぜなら、暗記の訓練によって脳内のニューロンの数がどんどん増加し、いわゆる「能力」が、自分でも信じられないほど発達するからです。


ちなみに、私自身、大学に入学した後が、いちばん記憶力が衰えました。入試が終わってホッして、大学の授業もいい加減に聴講したり、サボったり……といった生活でした。そのため、ごく簡単な漢字さえ書けなくなってしまったのです。大学での4年間のレジャーランド生活をしているうち、しっかりと「おバカさん」になってしまいました。


ところが、司法試験の受験勉強をしていた29歳の頃、私の記憶力は、自分でも信じられないほど飛躍的に向上しました。


当時の司法試験には「教養選択科目」というのがあって、私は「会計学」を選んだのですが、予備校の会計学の授業がさっぱり理解できませんでした。仕方がないので、講師の先生が「暗記しろ」と言った部分(テキストの3分の1くらいありました)を、何度も何度も声に出して丸ごと覚えたのです。


たとえば、「棚卸資産とは、商品、製品、半製品、仕掛品……」といった具合です。当時はわけもわからず、ただひたすら暗記しました。


ところが、暗記が進むにつれ、不思議なことに「理解があとからついてくる現象」が起こったのです。会計学は、もちろん体系的な学問ですから、ある部分を理解するためにめ、他の部分がどうだったのかがすぐに思い出せないと、頭が混乱してしまいます。


逆に私は、暗記を重ねた上で損益計算書貸借対照表を見たため、まさくし目からウロコが落ちるように、その内容がクリアに理解できるようになりました。


たとえば、さきほどの「棚卸資産」。これは一応、資産ではありますが、業種や業態によっては、「デット・ストック」になっている場合がかなりあります。つまり在庫過多ということです。


棚卸資産が在庫として眠っていることが多いと聞いたとき、私は急に、「商品、製品、半製品、仕掛品……」という、前に丸暗記したフレーズを思い出しました。そして次の瞬間、「そりゃあそうだろう。商品、製品、半製品……か多いということは、売れ残りがたくさんあるということだから、」と納得したのです。


このように、意味もわからず機械的に頭の中に叩き込むことによって、理解が進み、深まり――ということが、実際には多々あるのです。


あなたにすべてのよきことが雪崩ごとく起きますように♪


古代への情熱―シュリーマン自伝 (岩波文庫)

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今日の名言


「人 は眠っているときに記憶を整理し、脳の中で忘れにくい形態に書き換えているのです。このために、就寝直前の時間に覚えたことは、最も効率よく、しっかりと 記憶に定着できるのです。さらに、起床直後に復習しますと、睡眠中に整理された情報を長期記憶としていっそう確実に定着させることができます。ですから、 就寝直前と起床直後には、必ず同じメモに目を通すようにしてください」――吉田たかよし


目次


第1部 スタートはモチベーションアップがいちばん大切だ!(1冊の基本書にすべての情報を集中させよう
道具選びは機能性とオシャレ性を重視しよう
強力な勉強仲間を作ろう
「試験を目標にする」のはとても効果的だ
「成功のイメージ」を潜在意識に刷り込もう
勉強こそ若返りに最適である
自分で自分の限界を設定するな)
第2部 続ける秘訣は「楽しく勉強すること」にあり!(自分の心に「ご褒美」を与えよう
学んだことを「長期記憶」として定着させよう
詰め込みと丸暗記は「善」だと思え
勉強の時間帯は気にするな!
マトリクス計画表が効果を倍増させる
右脳のパワーを徹底的に利用しよう)
第3部 一気に成果を上げる最強のヒント(「突っ込む癖」で論理力を養おう
五感をフルに使って勉強しよう
教材は「迷ったら買い」を肝に銘じよ
資格や学歴は取れるときに取っておこう)


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