第529冊目 プレイングマネジャーの教科書 結果を出すためのビジネス・コミュニケーション58の具体策 田島弓子/著


デットラインの2日前報告を仕組み化する
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逆に、自分自身の仕事のデットラインを守るためのリマインドとしても、コミュニケーションは有効に活用できます。


もしあなたの上司がとても細かい人で、何でも把握したいタイプなら、締め切り2日前に報告する習慣をつけましょう。いいえ、細かい上司に限らず、この2日前報告を自分がデットラインを守る際の仕組みにしてしまえば、「かゆいとこにろ手が届く」コミュニケーションで上司の覚えがよくなるばかりか、仕事そのもののパフォーマンスも上がります。


「あの企画書ですが、予定どおりお見せできるよう、準備を進めています」


こんな具合に何かのついでに報告しておくと、上司は安心してくれます。


「ウチの上司は大雑把だから、当日の持ってくるその瞬間まで、頼んだことなんかすっかり忘れている」のであればなおさらです。いくらアバウトな上司でも、その企画書が社長プレゼンに使うような重要なものだったら、2日前くらいのタイミングで進捗状況を報告することで、上司のための業務のリマインドにもなります。


「あれ、なんとか間に合いそうです」


たったこの一言で信頼関係が成り立つのであれば、コミュニケーションの効果は絶大です。


ただし、立場をスイッチして、自分が部下に仕事を振っている場合、自分が上司にしているのと同じことを部下からしてもらえると期待してはいけません。相手はまだ若く、経験もないのですから、上司のほうからまずはフォローしてあげてください。


部下のデットラインも手帳に書いて数日前にリマインドする、というのは前述の通り。


廊下ですれ違ったときや何かのついでというちょっとした瞬間を見つけて軽い感じでリマインドします。ポイントは過度なプレッシャーを与えないこと。


「順調?」「何か困っていない?」といった具合です。


どの程度、催促するかは部下のレベルにもよります。しかし新人や、初めての仕事に取り組んでいる部下に対しては、極端に言えば毎日マメに「困っていることはない?」と聞いてもいいくらいです。「教えてください」と言えず、仕事が止まってしまうと困った事態だけは回避するべきです。


「部下にそこまで気を遣うのか?」と思うかもしれませんが、部下だからそこです。最悪の事態が起こるより、日々の5秒コミュニケーションの労力を選ぶほうが、断然よいのではないでしょうか。


あなたにすべてのよきことが雪崩ごとく起きますように♪


今日の名言


あるとき「仕事の期限を3〜7日前に完成させるようなサイクル」を作ることにしました。そして、それが見事にうまく回転しました。――荘司 雅彦


今日の感想


こんにちは、ソンリッサです。


本日の1冊は、IT業界専門の展示会主催会社などにてマーケティング・マネジャーを務め、最終的には当時営業・マーケティング部門では数少ない女性の営業部長を務めた田島弓子さんによる1冊。


本当に行動力のある人は出世する。ビジネス書を毎日読んでいてそう思います。


目次


はじめに 数字・部下管理・板ばさみ・多忙で激務。“四重苦”の中で日々奮闘している中間管理職のあなたへ
1 気が弱い人ほど「課長業」はうまくいく!
2 5秒でできるコミュニケーション!「初期投資ゼロ」の即効フレーズ
3 コミュニケーションを仕組み化する
4 クセモノ&苦手な人対策「問題解決コミュニケーション」
5 プレイングマネジャーのためのトラブル時のFAQ
おわりに これからの時代のプレイングマネジャーを目指して