第527冊目 ワークライフ“アンバランス”の仕事力 「仕事=人生」だっていいじゃないか! 田島弓子/〔著〕


ワークライフ“アンバランス”の仕事力

ワークライフ“アンバランス”の仕事力


文句を言うのでなく、まずはやってみてから
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まず、私がマーケティングをやっていた時代に、中途で入社した男性営業部員の話をご紹介したいと思います。


彼は営業で採用されたのですが、入社早々、ちょうど私が担当しているプロモーションが佳境を迎え人手が足りなくなったため、マーケティング部員として、私の下でしばらく手伝いをしてもらうことになりました。


畑違いのマーケティングの仕事を急きょ担当することになったにもかかわらず、彼はいやな顔ひとつせず、一生懸命取り組みました。正直戸惑いもあったと思いますし、多少は不満を感じていたかもしれません。しかしそれよりも「ここから何かしら学ぼう」という前向きな姿勢が、彼から見てとれたのです。


そして1ヵ月ほど経った頃には、「この販促用のPOPはこういう色使いで、キャッチコピーもこんな感じがいいと思うんですけど、どうでしょう?」と、自分の短い経験をベースにして、提案までしてくれるようになりました。


まもなく彼は、無事に営業部に戻っていきましたが、数年後、業務方針の変更で、営業メンバーも担当クライアントとの共同マーケティングを担当することになったとき、彼は最初の経験はおおいに活かされました。当時の経験をベースにした説得力ある提案ができ、現場での実行力もあったので、クライアントからの信頼も高くなったのです。


もし、あのとき彼が、「一時の手伝い」とういことで、表面上言われたことだけイヤイヤやっていたら、ましてや「マーケティングの仕事をするために入社したわけじゃありません」と与えられた仕事にクレームをつけていたら――彼はここまで成長できなかったのではないかと思います。「目の前の仕事をきっちりやる」ということこそが、その人の未来を切り拓いていくということを、私は彼を見て実感しました。


今、自分が与えられている仕事が本当に納得のいかないものだったら、そしてそれを会社に訴えたいのであれば、まずはやってみてから言うべきではないでしょうか? 


すべての仕事には、それに取り組むべき「理由と意味(目的と目標)」があります。


まずはやってみたうえで、それでも仕事をする「理由と意味」がどうしても見出せないと言うのであれば、周りも耳を貸してくれるようになります。しかし、まだ手をつけてもいないうちから先に文句う言っているようでは、会社としてそれを聞き入れるのは難しいでしょう。


あなたにすべてのよきことが雪崩ごとく起きますように♪


ビジネスマンの父より息子への30通の手紙    新潮文庫

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今日の名言


「人 間の行動は、心のなかの欲求から生まれる……だから、人を動かす最善の方法は、まず、相手の心のなかに強い欲求を起こさせることである。商売においても、 家庭、学校においても、あるいは政治においても、人を動かそうとするものは、このことよく覚えておく必要がある。これをやる人は、万人の支持を得ることに 成功し、やれない人は、ひとりの支持者を得ることにも失敗する」――オーヴァストリート


今日の感想


こんにちは、ソンリッサです。


本日の1冊は、「仕事が面白くなる」若年層向け働き方論、「女性の中間管理職を増やす」ための女性向けキャリア支援をしているブラマンテ株式会社代表取締役 田島弓子さんによる1冊。


仕事ができる人は情熱というか、信念というか「私は絶対これを成し遂げるんだ!」というものが感じられます。


それが並外れた行動力につながっているのではないでしょうか。


目次


ワークライフ“アンバランス”の仕事力

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