第519冊目 なぜか「仕事が速い」人の習慣 残業ゼロで結果が出せる12のビジネステクニック 椋木修三/著

なぜか「仕事が速い」人の習慣 (成美文庫)

なぜか「仕事が速い」人の習慣 (成美文庫)


恥をかきたくなかったら恥をかきなさい
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私は研修生によく言うことの1つに、「恥をかきたくなかったら恥をかきなさい」があります。


グループワークをしていると、必ず積極的にやる人と、まわりの様子を見ながらやる人とに分かれます。積極的にやる人は当然、発言も多いし、声も大きいし、よく笑いますし、よく動きます。現場でどのような仕事の取り組み方をしているか想像がすぐできます。


しかし、様子見の人はこの反対です。どうも何かを警戒しているように見えます。


なにを警戒しているのでしょうか?


それは簡単です。「人は自分のことをどう思っているか、どう見えているのか」という自分への評価を気にしているのです。自分と関わり合う相手は敵か味方かといったことも、自分なりのものさしで査定しているわけです。


精神エネルギーが仕事のほうに向けられず、見当ちがいの方向に向けられているわけです。だから仕事が遅く、動きがにぶくなるのです。もちろん、動きだけではありません。判断力、すなわち「今これ力」がにぶるのです。


ある高校の教師から相談を何度か受けたことがあります。「今の学校から他校に転属したい」というのです。なぜなら、「ほかの先生方が自分に意地悪をするから」というのです。意地悪の内容は「仕事を自分に回してくれない」など、もろもろです。


しかし、彼の話しぶりから判断すると、どうも仕事が回ってこないのは、ほかの先生からの信頼がないからではないか、と思いました。なぜなら、彼の話は、ほかの先生の悪口ばかりなのです。「あの先生は目を合わせてくれないこの先生は私を能なしと思っている。別の先生はあいさつしても返事してくれない」……ホントかなあと首をかしげたくなる内容ばかりです。


これでは、どちらにしてもうまくいきません。


様子見の人も、この教師に似ています。まず仕事ありきではなく、まず人ありきなのです。どう仕事を進めていくとうまくいくのかを考えているのではなく、周囲の人への警戒のほうに目が向いているのです。「恥をかきたくない。笑われたくない。傷つけられたくもない」といったことにエネルギーを使っているわけです。だから、思いきった発言もしなし、可もなく不可もなくのところで動いているのです。


あなたにすべてのよきことが雪崩ごとく起きますように♪



今日の名言


「あなたの目の前にいる相手は、自分自身のことに関心を持っているのであって、自分以外の人、つまりあなたのことには関心はないのです。このことをしっかりと胸に刻んでおきましょう」――レス・ギブリン


今日の感想


こんにちは、ソンリッサです。


本日の一冊は、記憶術や速読、勉強本で活躍されている椋木修三さんによる仕事術の一冊。


仕事ができる人は、小さな失敗をくり返して、その都度工夫し、その都度行動してきたからこそ、手際よくパッパッと仕事ができるようになったと著者も言っています。


行動したくてもなかなかできない人は、ぜひ一読してみてください。


目次


1章 速読の習慣―「大ぐくりに読む」と頭はかえって緻密になる
2章 記憶の習慣―記憶の鋭い人は「情報のポイ捨て」が必ず鋭い
3章 整理の習慣―「今」に没頭することで「未来」を早く実現する法
4章 メモの習慣―人と同じものから「すごい発想」をする技術
5章 思考の習慣―「逆」を考えるだけで仕事はここまで高速化する
6章 行動の習慣―「早く始めるから仕事が速い」行動法則の確立


なぜか「仕事が速い」人の習慣 (成美文庫)

なぜか「仕事が速い」人の習慣 (成美文庫)