第518冊目 最短で結果が出る超仕事術 荘司雅彦/著
- 作者: 荘司雅彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/01/24
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アウトソージングの大きな危険
アウトソージングには、「アウトソースした先それぞれのマンパワーや機会費用を最大に生かすことのできる」という大きなメリットがあります。ただし、きちんと注意しておかないと、とんでもない結果になりかねません。
留意点の第1はアウトソージング先の信頼性です。
特に外部にアウトソージングする場合は、企業秘密の厳守は当然であり、きらに納期なとをしっかり守るところに出さないと、自分(自社)の存亡に関わります。
私も幸いには、絶対に守秘義務を守り、全幅の信頼を置ける優秀な司法書士さんや行政書士さんが近くにいました。常にそういう人たちにアウトソージングすることができたので、その点の不安を感じたことはありません。
第2の留意点は、内部でのアウトソージング先です。
どこの職場にも、いわゆる「仕事を抱え込む人たち」が少なからずいます。そういう人たちの中には、「この仕事ができるのは私しかいない」という状況を作り上げることによって、リストラや人事異動を免れようとするタイプも存在します。
また、自分しかできない仕事があることにただ満足するだけだったり、それを自らのレゾン・デートル(存在意義)として誇示したりする人もいます。
そういう人たちにアウトソージングすると、仕事の出来や効率を追求する以前に、「仕事を抱え込んでいる状態」になったまま、遅々として何も進まなくなる可能性があります。効率を考えてアウトソージングしたのに、逆にボトルネック(障害)になってしまうわけです。また、その「抱え込む人」休んだり、退職したりすると、その段階で止まってしまって、全体の仕事が回らなくなる大きな危険があります。
ですから、どんな仕事であっても、必ず(自分も含めて)代替要因を置いておくことが肝要です。
この点については、私自身、かつて大変な事態に陥って、あわや事務所崩壊かと思われるくらいの経験をしました。
それまでは1人だけしか秘書を雇っておらず、その秘書が非常に優秀な人材だったので、仕事を任せすぎてしまったのです。そんなとき、私の昔の同級生でもある別の女性にパートをお願いしたのですが、そのパートさんたるや、依頼者からのもらい物を勝手に持ち帰ったり、重要書類を私に見せなかったりと、大変な人物でした。
やがてパートさんは、とんでもないことを画策します。事務所の大黒柱となっていた秘書をそそのかし、一緒に事務所を辞めようとしたのです。
優秀な秘書から「辞めます」と言われた私はびっくりし、必死で残ってくれるよう説得しました。同時に、彼女に頼り切っていた自分自身を深く反省しましたが、後の祭り。彼女はずっと、辞めると言って聞きませんでした。
やがて、憔悴してった私を気の毒に思ったのか、パートさんのマインドコントロールが解けたのか、かろうじて退職を思いとどまってくれたのは本当に幸運でした。
それ以降、「1人に頼り切ること」の危うさをしみじみ感じた私は、自分自身で事務的な知識を補強し、また、原則して代替性のある複数秘書体制を採るようにしました。
リストラによる人員削減によって、1人の派遣社員が、代替者のいない仕事を抱え込んでいるケースは、企業には驚くほどたくさんあります。有名企業には、そういう例は少なくありません。。そうやって、その本人しかわからない仕事が生まれ、そこから不正や粉飾に発展した例も多いのです。
有名企業にしてそうなのですから、小規模な組織の経営者や個人事業主は、自らがそういう状況に陥っていないか、十分注意する必要があります。
万一、そのような事態が生じていたとしたら、早急に代替要員を確保しなければなりません。さもなければ、爆弾を抱えているのと同じだと言っても過言ではありません。
あなたにすべてのよきことが雪崩ごとく起きますように♪
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今日の名言
「技術は反復によって習得する」――アンソニー・ロビンズ
今日の感想
こんにちは、ソンリッサです。
本日の一冊は、平均的弁護士の10倍の仕事量、年収7000万円を維持いた荘司雅彦さんによる一冊。
「1つの仕事で調べ物をするときは、100のことを調べる」「厄介な仕事から片付ける」「先送りしても、即決した場合と同じ決断を下すことがほとんど」は至言です。
独立してビジネスをされている方、現在、企業などに勤務しておられるビジネスパーソンにもおすすめの一冊です。
目次
第1部 広く、細かく情報を処理するのがすべての基本だ(「急がば回れ」の習慣が差をつける
厄介な仕事から片づけよう
スケジュール管理はローテクがベスト
ワーキングスタイルのない人に成果は出せない
個別の情報帳を作ろう)
第2部 効率と長期的視野を重視してアクションを起こせ(スピードで稼ぐことを忘れるな
相手の立場に立って考える癖を身につけよう
仕事の山は前倒しに崩せ
仕事に「パレートの法則」は当てはまらない
書類はコア部分だけを読んで処理しよう)
第3部 心理を読み、人間関係を制する人が勝者になる(「自分でやる仕事」と「人に任せる仕事」をきっちり分けよう
「自称プロ」ではなく「本当のプロ」をめざせ
会議は2種類に分けて効率化せよ
「哀しきイエスマン」に気をつけろ
人脈の力を信じるな)
- 作者: 荘司雅彦
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