第515冊目 聞き手を熱狂させる!戦略的話術 オバマに学ぶNLPプレゼンテーション 二階堂忠春/著 田中千尋/著

聞き手を熱狂させる!戦略的話術~オバマに学ぶNLPプレゼンテーション~

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前提は潜在意識にメッセージを伝える
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言葉を巧みに操り、効果的に相手の気持ちを誘導する方法はいくつかあります。その中でも特に強力な言語パターンは「前提」です。なぜなら、人は言語を理解するとき、前提の存在を無視することができないからです。


「机の上にあるペットボトルが見えますか?」と問われれば、あなたは「見えるか/見えないか」を意識して答えようとするでしょう。しかし、脳は無意識レベルで、ペットボトルの存在を「前提」として受け入れやすくなっているのです。


例えば、デパートの店員が顧客に対して、こんなことを言う場合があります。

  1. 「ご購入を決める前にどの色合いが似合うか試着してみていただけますか?」
  2. 「カードをお持ちでしたから、リースや分割払いも可能ですが、どうなさいますか?」


ここでは顧客に対して「この商品を買ってください」と言っていませんが、この質問に答えようとすると、顧客はこの商品を購入したイメージを持ちやすくなるでしょう。もし少し詳しく説明すると、意識レベルではこのように感じられます。

  1. 試着するかどうかを聞かれている
  2. 支払い方法について、どうするか聞かれている


これらは意識レベルでの感じ方です。一方、無意識レベルでは、どちらも「購入すること」が前提となっています。購入するからこそ、「色合いを吟味」したり「支払い方法の選択」が必要になるからです。


つまり、相手は商品を購入したイメージも持つということてす。これはセールスにおける強力なクロージング技術ともいえるでしょう。


学校の先生が生徒にこんなことを言う場合はどうでしょうか?


「あなたは今日の授業でどれだけ多くのことを学んだか十分に気づいていますか?」


これを聞いた生徒が意識的に注目することは、自分が「十分に気づいているか/十分に気づいていないか」どうかです。一方、この言葉には、いくつかの前提が埋め込まれています。


自分が「今日の授業で多くのことを学んだこと」「学んだことについてすでにある程度気づいていること」が前提となっています。


最初の問いに「はい」か「いいえ」で答えようとするだけで、あなたは「前提」のメッセージを自然に受け入れてしまうことになります。すると自動的に、「自分は今日の授業でなにからしら多くのことを学んだ」と納得することになるのです。


このように、前提が多くなればなるほど、聞き手は意識レベルで情報を明快に処理して判断することが難しくなります。一方、無意識レベルにはそれらの前提から発せられるメッセージが十分に伝わっているのです。


あなたにすべてのよきことが雪崩ごとく起きますように♪


人を動かす質問力 (角川oneテーマ21 C 171)

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今日の名言


なによりも大切なのは、ユダヤ人がしたように、たえず念頭から今勉強中のものを消させないことです。昼でも夜でも、飯を食っているときでも、風呂に入っているときでも、勉強内容を「思い出そう、思い出そう」と心がけていることです。――濱野成秋


今日の感想


こんにちは、ソンリッサです。


本日の一冊は、日本で唯一のNLPマスタートレーナーアソシエイトと現役アナウンサー兼トレーナーが明かす7つの心理テクニック。


オバマ大統領の演説をNLPコミュニケーション心理学の視点から分析しています。


話の中に「前提」を入れることは非常に強力ですので、悪用しないように気をつけたいテクニックですね。


NLPを日常生活に活用してみたい方にはおすすめの一冊です。


目次


プロローグ 誰にでもできる7つの心理テクニック
第1章 目的を定める
第2章 近づく
第3章 ストーリーを語る
第4章 暗示する
第5章 つなげる
第6章 聞き手を動かす
第7章 信じる


聞き手を熱狂させる!戦略的話術~オバマに学ぶNLPプレゼンテーション~

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