第513冊目 どの会社でも結果を出すCEO仕事術 いつも「経営者の目線」を持て 吉越浩一郎/著
どの会社でも結果を出す CEO仕事術 いつも「経営者の目線」を持て
- 作者: 吉越浩一郎
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2009/05/20
- メディア: 単行本
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すべての仕事に「○月○日○時まで」というデットラインをつける
そこでもう一つ大事なのが、社員への指示にすべて「デットライン」をつけることだ。トリンプでの早朝会議は、各自に与えた仕事の「締め切り=デットライン」を明確にするのが最大の目的だったと言ってもいい。
会議で共有される情報には「誰が何を任されたか」ということも含まれるわけだが、その上「いつまでにやれと言われたか」も全員が知っているわけだから、サボるわけにはいかない。もしクリアできなければ、デットラインを迎えた日の早朝会議でそれか全員に知れ渡り、情けない思いをすることになる。尻を叩くのに、これほど効果のある方法はほかにはないだろう。
前に「いつか富士山が大噴火する」という予言は予言になんていないという話をした。それと同じで、締め切りのない仕事は仕事とは呼べないと私は思う。よく「これやっといて」とだけ言って部下に書類を預ける人がいるが、論理的に考えるなら、相手がそれを何ヶ月も放置したとしても、叱りつけることはできない。部下は「やらない」とは言っていないからだ。極端な話、その上司が定年で会社から去ってから着手したとしても、指示に背いたことにはならないのである。
もちろん、「やっといて」の前後に「なる早で」「ASAPで頼む」などと付け加えても同じこと。「なるべく早く(as soon as possible)では、締め切りを設定したことにはならない。「数日中に」「来月の中ごろまでに」と言えば少しは具体的だが、これでもお互いの時間感覚にズレがあるので不明確だ。「来月中ごろ」といったほうは、「一五日には片づく」ことを想定しているだろうが、言われたほうは、「二〇くらいまで待ってもらえるだろう」と考える。そのため予定が狂ってしまい、無駄な待ち時間が生じたりすることが多いのである。
だからトリンプでは、必ず「日付」でデットラインを設定していた。しかも、たとえばデットラインを「五月二二日とした場合、その日の早朝会議までに片づけるという意味だから、「時刻」まで設定したのと同じことだ。トリンプでは基本的に残業を認めていなかったから、徹夜して会議に間に合わせることもできない。指定日の「前日の終業時刻」がデットラインなのである。
ただしビジネスは社内だけの閉じた営みではないので、本当は社外の取引先とも同じリズムで仕事を進めることが望ましい。発注の際には、「○月○日○時まで」と厳密な締め切りを設定するように心がけたいものだ。もちろん先方の都合もあるだろうから、そこは相談して折り合いをつければいいだろう。その都合も考慮して「○時まで」と決めた以上、相手も「そこが掛け値なしのデットライン」という意識を持つはずだ。
あなたにすべてのよきことが雪崩ごとく起きますように♪
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今日の名言
「できれば、人より賢くなりなさい。しかし、それを、人に知らせてはいけない」――チェスタフィールド
今日の感想
こんにちは、ソンリッサです。
本日の一冊は、下着メーカーのトリンプで「早朝会議」「完全ノー残業」「がんばるタイム」などを行い19年連続増収・増益を達成した吉越浩一郎さんによる一冊。
著者は高校生のときに、「40歳までに社長になる」と友人に宣言し、それから20年後の1987年にちょうど40歳でトリンプ・インターナショナル・ジャパンの代表取締役副社長となります。
経営者のかたはもちろん、中堅社員の方にも読んでいただきたい注目の一冊です。
目次
1 キャリアプランにも「デッドライン(締切)」を作る―「独立する気概」を持って働け(社長がいちばん面白い理由
Warm Heart,Cool Head―「仕事はゲーム」と割り切るメリット
ゲームは「勝つ」から面白い ほか)
2 結果を出して、会社を変える管理職となる―「デッドライン会議」という仕組みを使いこなせ(部下を動かすには「人望」が必要、という日本的幻想
「結果」を出せば、部下はついてくる
上司はマネジャー、プレーヤーではない ほか)
3 経営のプロフェッショナルとなる―「損益計算書に対する責任」を持て(「コーヒーのプロ」でも「下着のプロ」でもなかった私
経営のプロは、売る物は何でもかまわない
なぜ日本の「成果主義」はうまくいかないのか ほか)
どの会社でも結果を出す CEO仕事術 いつも「経営者の目線」を持て
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