第468冊目 フランクリン自伝 ベンジャミン・フランクリン/著 松本慎一/訳 西川正身/訳

フランクリン自伝 (岩波文庫)

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  • フランクリンの13の美徳

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私はこれらの徳がみな習慣になるようにいたいと思ったので、同時に全部を狙って注意を散漫にさせるようなことはしないで、一定の期間どれか一つに注意を集中させ、その徳が習得できたら、その時初めてほかの徳に移り、こうして13の徳を次々に身につけるようにして行ったほうがよいと考えた。


またある1つの徳をさきに修得しておけば、ほかのいずれの徳を修得すくのが容易になるとも思ったので、私は前にあげたような順序に徳を並べたのである。


第一は節制の徳である。なぜかと言えば、古くからの習慣のたまえない誘引や、不断な誘惑の力に対してつねに警戒を怠らず、用心をつづけるには、頭脳の冷静と明晰とが必要であるが、それをうるにはこの徳が役立つからである。


この節制の徳を完全に身につけてしまえば、沈黙の徳はもっと身につけやすくなるだろう。私は徳を進めると同時に、知識をえたいと望んでいたが、知識は、人と談話する場合でも、舌の力よりはむしろ耳の力によってえられると考えたので、くだらない仲間に好かれるようになるにすぎない無駄口や地口や冗談などに耽る習慣を直したいと願った。



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「熱中する心がなければ、この世に進歩はあり得ない」――ウッドロー・ウィルソン

少年時代
フィラデルフィアに入る
ロンドンの一年半
印刷屋を開業す
勤倹力行時代
十三徳樹立
成功の道を歩む
社会的活動
軍事に活躍す
州民を代表して再び英国へ
富に至る道

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