第442冊目 記憶力 成功をもたらす無限の力 ウィリアム・W.アトキンソン/著 ハーパー保子/訳

記憶力 (ポケットブック)

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  • 累積システム

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累積システムの基盤になっているのは、「記憶する能力と思い出す能力は、段階を踏んだ訓練と頻繁な復習によって大幅に伸ばせる」という考え方です。


記憶の対象として、自分が興味を持てるのもの、楽しいと思えることを選んでください。十分な長さがあれば、自分の好きな詩がいいでしょう。ほかには旧約聖書箴言詩篇も適していますし、人によっては聖書の詩歌を覚えるほうが簡単かもしれません。


まず、聖書の詩篇から一節、あるいは詩の一節を覚えることから始めましょう。詩の場合は、六行を上限にしてください。もしそれよりも長ければ、短くなるように区切ったほうがいいでしょう。

  • 一日目


最初の一節を、すらすらと暗唱でき、どの部分も完全に理解できるようになるまで練習します。音読しながら、音の響きだけでなく、出だしの言葉、構成、意味などを視覚でもとらえるようにしましょう。簡単に言うと、その詩について、「学ぶ」のです。これが初日の作業です。

  • 二日目


前日の一節を復習し、音読します。そのあと、初日と同じ方法で次の一節を覚え、第一節とつなげ、まとめて復習します。

  • 三日目


前日覚えた二節を復習し、第三節を完全に覚えてから前の二節とつなげ、全部まとめて復習します。


このように、毎日一節ずつ覚えて足していき、全体を何度も復習するというエクササイズを一ヵ月続けてみましょう。頻繁に復習することの必要性は、いくら強調しても足りません。このシステムで肝心なのは、復習することですから、この作業は決して手を抜かないでください。覚えた一節をどんどん足していくことで、ものごとを記憶する力が鍛えられます。


一方、つねに復習することで、ものごとをスムーズに思い出す能力が鍛えられていきます。鮮明な印象を頭に取り込むだけでは十分ではなく、潜在意識の貯蔵庫に保管さもているものの場所を突き止め、呼び出せることが何よりも大切です。毎日思い出すことで、そのことがらに精通すると同時に、貯蔵庫に保管されているものを見つけ、必要なときに顕在意識にもっていくコツも磨いているのです。


おそから最初のうちは、思い出せない言葉や文章を本で確認しなければならないことが多いでしょう。これはすぐに克服できますから、やる気をなくさないようにしましょう。覚えにくい言葉や文章を無理に思い出そうとして、むやみに記憶力を消耗するようにことはせず、本を開いてその節を覚えなおしてください。思い出せない言葉を省略したり、合っているかどうか自信がないまま続けたりせず、必要であれば十回でも本を見直しましょう。いいかげんなやり方をせず、書かれている内容を正確に再現することを徹底してください。最初からそれを心がけていると、やがてそういう姿勢が身についていきます。


一つのことを完全に覚えてから、新しいことに取り組みましょう。十のことをいいかげんに知るよりも、一つのことを十分にするほうがいいのです。目の前の節を完全にものにするまでは、次の節に移らないでください。


焦りは禁物です。じっくり時間をかけましょう。最初から欲張りすぎるのも禁物です。いちばん多いのは、やる気が先走りしすぎて、すごい勢いでスタートするものの、さほど進まないうちに疲れてしまう人です。少し自分を抑えて、植物が種子から芽を出し、茎を伸ばし、茎から葉を出し、葉の間から花を咲かせるように、自分の能力を自然に伸ばしていきましょう。


  • 今日の名言

「神様ですら、この世の終わりが来るまでは、人間を裁こうとはなさらない」――サミュエル・ジョンソン

記憶とは何か?
注意力と集中力
印象が大切な理由
目は心の窓である
耳は目よりも優れもの
聴覚を鍛えるエクササイズ
関連の法則とは?
印象に関する13の法則
古代の記憶術に迫る
「テン・クエスチョン・システム」
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道に迷わない人になる
人の顔の覚え方
名前の記憶術

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