第371冊目 ピーター流らくらく学習術 ピーター・フランクル/著

ピーター流らくらく学習術 (岩波ジュニア新書)

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ぼくは、親が持っている小さな別荘に行って、フランス語を一生懸命勉強することに決めました。そして一人でその別荘に行きました。別荘地だから、夏には人が多いけれども、春や秋にはほとんど人はいません。店も開いておらず、ただセルフサービスのレストランが開いていました。それな昼しか開いていません。自転車は夏にパンクしたままでしたから、レストランまでは2キロ以上も歩かなければなりません。それでぼくは毎日昼ごろにそのレストランまで行って、たくさん食べました。そして、パンをもらったり、少しサンドインチを買って別荘に戻りまた。


それ以外の時間は、ほとんど丸一日別荘の中にいました。日が当たる昼間は1時間くらい外でお手玉の練習をしたりしますが、それ以外はほとんどベットの中でした。ハンガリーの4月はまだ寒いのです。


ベットの中で、ときには日の当たるベランダに座って、400ページもあるフランス語の本を読みました。先生の選択はフランソワーズ・サガンで、とてもよかったのです。というのは、サガンは文学的な価値はあまりないと思いましたが、その文章がかんたんで読みやすかったからです。こうしてぼくは一冊の本を全部読みました。


先ほど、外国語を学ぶときには翻訳してはいけないと言いましたが、それは相手と会話するときの話です。そのさいに頭の中で翻訳するのはいけないのですが、本を読んでいるときに理解できない単語を調べることはぜひとも必要です。読んでいるときはかならず辞書で調べるべきです。全体の意味がある程度わかる場合、人間はだいたい楽をすることが多く、わからない単語の意味を調べようとしません。そして、その単語が4回も5回も出てくると、どうも気になってつい調べることになります。


ところがそれは大損なのです。なぜかというと、最初に調べておけば、2回目に出てきたとき、3回目、4回目、5回目は復習になって、その単語を覚えてしまえたのです。5回目にはじめて調べたら、復習のチャンスを4回もなくしたことになります。だから、ぼくはわからない単語を全部調べながら、3週間弱でこの本を全部読みました。そのあいだに、わからない単語を1000個以上も単語帳に書いて、ほとんど覚えてしまいました。そして先生が戻ってきたときには、ぼくは流暢にフランス語が話せるようなっており、彼女にすごくびっくりされました。

1 楽しく学ぶ
2 マニュアルでなく、自分の判断で
3 自信をつける
4 発想力を大切に
5 ぼくの外国語学習法
6 自分に最適の方法を見つけよう
7 日本をソフト社会に

ピーター流らくらく学習術 (岩波ジュニア新書)

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