第365冊目 高校生の勉強法 最新脳科学が教える 池谷裕二/著

最新脳科学が教える 高校生の勉強法 東進ブックス

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違いの大きなものを区別できるようになってからでないと、小さいものを区別できるようにはならないのです。


興味をもっているものごとは復習回数が少なくても覚えられる。


必要以上に記憶を詰め込むと、覚えが悪くなってしまうのです。一度に覚えられる量には限度があるということです。


たとえば古文の授業で、先生が「百人一首を明日までに全部覚えきなさい。テストを行います」といってムチャな課題を出したとします。こんな時は、無理して徹夜して100個覚えるようと努力するより、着実に30個だけ覚えた方がいい点数が得られます。


実際に皆さんも試してみると分かるのですが、2回目の学習までに1ヵ月以上の間隔を開けてしまうと、記憶力はほとんどアップしません。つまり、潜在的な記憶の保存期限は1ヵ月なのです。


1ヵ月以内に復習しなければ、さすがに潜在的な無意識の記憶も無効になってしまいます。復習はいつやっても効果があるというわけではありません。最低でも1ヵ月以内に復習するようにしましょう。


筋肉をつけるために、2日に1回のトレーニングするだけで、毎日やったのと同じ効果が現れます。それと同じように、復習スケジュールを必要以上に過密にして労力を費やしても、それ成果は変わらないのです。


きっと皆さんの中には、少しでもよい参考書はないかと、何冊も参考書を買って少しずつ使い試しをしている人がいるでしょう。しかし、私はそうした参考書の探し方がよいとは思いません。その理由は、まさに「復習」効果です。同じ科目でも参考書が替われば、また1からその参考書を理解し直さなければなりません。


復習効果はあくまでも同じ対象に対して現れるのです。これはとても重要なことですから、肝に銘じてください。

はじめに 高校の授業についていけなくなる理由
第1章 記憶の正体を見る
第2章 脳のうまいダマし方
第3章 海馬とLTP
第4章 ファジーな脳
第5章 天才を作る記憶のしくみ

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