第362冊目 年収2000万円の転職術 「高学歴・中収入・低資産」からの脱出法 神川貴実彦/著

年収2000万円の転職術 (ピンポイント選書)

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自己主張の境界線を知ること、身だしなみも一つの「翻訳力」

以前、ムービンを通してコンサルティング会社へ転職した女性に、次のようなひとがいました。元公務員の非常に優秀な人だったのですが、書類選考・初期の面接は通過したものの、最終面接を通過するかどうかは五分五分という印象でした。


そこで彼女が我々のアドバイスを参考にして行ったのは、相手企業のホームページをじっくりと眺め、企業紹介の欄に写っている女性社員の雰囲気を研究することでした。そして、彼女はホームページの写真をプリントアウトして美容院に行くと、「この会社を今度受けるので、この人たちの雰囲気に近くなる髪型にしてください」と自身の容姿を少しだけ変化させて面接に臨んだのです。  


なげなら最終選考では、スキルよりも会社との相性が見られるからです。コンサルティング会社の面接官といっても、普段から馴染み深い雰囲気の人には親しみを覚えます。面接で応募者が緊張するのは当然ですが、相手もまた今後同じ会社で働くかもしれない初対面の相手と会うわけですから、それとは別の緊張感を抱いているはずです。


その第一印象で「この人はいい人のようだ」「違和感なく一緒に働けそうだ」と思ってもらえば、後の面接の雰囲気が全く違うものになることもあるのです。これは確かに極端な例であるかもしれません。また、たまたまこのケースに特有のことでもあったでしょう。


しかし、彼女が転職を果たしたのは偶然ではなく、応募する企業を徹底的に調べ上げ、自らをアピールしていくという一つの姿勢を持っていたからこそのことです。まさにいま手に入る情報や自分の持っているものを客観的に分析し、それを相手の言葉に「翻訳」すること。彼女が美容院を訪れてまで行っていたのは、こうした翻訳作業の一つだったといえると私は思います。

1 「高学歴なのに、中収入・低資産」という悩み(10年後、20年後にあなたはどんな生活をしたいのか
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2 年収2000万円を稼げる仕事(理想的なキャリアプラン
外資コンサルティング会社で求められる能力・キャリア ほか)
3 高収入転職のためのトレーニング(面接までの準備―問題解決能力の鍛え方
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4 「ケース面接」に勝つ問題解決能力(面接にはこう臨め―問われているのは「正解」ではない
本番で意識すべき4つのポイント ほか)
5 転職成功者は「ここ」が違う(資格の効果を高く見積もらない
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