第306冊目 経営者の条件 /P.F.ドラッカー/著 上田惇生/訳

ドラッカー名著集1 経営者の条件

ドラッカー名著集1 経営者の条件


集中のための第一の原則は、生産的でなくなった過去のものを捨てることである。そのためには自らの仕事と部下との仕事を定期的に見直し、「まだ行っていなかったとしても、いまこれに手をつけるか」を訪うことである。答えが無条件のイエスでないかぎり、やめるか大幅に縮小するべきである。


新しいもののために新しく人を雇うことは危険である。すでに確立され順調に運営されている活動を拡張するには、新しく人を雇い入れることができる。だが新しいものは、実績のある人、ベテランによって始めなければならない。新しい仕事というものは、どこかで誰かがすでに行っていることであってもすべて賭である。


優先順位の分析については多くのことがいえる。しかし優先順位の決定について最も重要なことは分析ではなく勇気である。


決定を行動に移すには、「誰がこの意志決定を知らなければならないか」「いかなる行動が必要か」「その行動はいかなるものであるべきか」を問う必要がある。特に最初と最後の問いが忘れられることが多い。そのためひどい結果を招くことがある。


決定を行うのは人である。人は間違いを犯す。最善を尽くしたとしても必ずしも最高の決定を行なえるわけではない、最善の決定といえども間違っている可能性はある。そのうえ大きな成果をあげた決定もやがては陳腐化する。


われわれはどのように時間を過ごしたかを記憶に頼って知ることはできない。


時間を管理するには、まず自らの時間をどのように使っているかを知らなければならない。


人が少なすぎるということはありうる。人が少なければ仕事のできあがりはよくないかもしれない。だがそれは一般的な状況ではない。むしろよく見られるのは、成果をあげるには人が多すぎ、したがって仕事をするよりもお互いに作用し会うことにますます多くの時間が使われているという状況である。

序章 成果をあげるには
第1章 成果をあげる能力は修得できる
第2章 汝の時間を知れ
第3章 どのような貢献ができるか
第4章 人の強みを生かす
第5章 最も重要なことに集中せよ
第6章 意思決定とは何か
第7章 成果をあげる意思決定とは
終章 成果をあげる能力を修得せよ

ドラッカー名著集1 経営者の条件

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