第301冊目 達人のサイエンス 真の自己成長のために /ジョージ・レナード/著 中田康憲/訳

達人のサイエンス―真の自己成長のために

達人のサイエンス―真の自己成長のために

どんな競技の場合でも、達人はたいてい練習の達人である。

プロゴルファーのジャック・ニクラウスは、ボールが完璧な飛跡を描いて目的地に達する様子が明確にイメージできてから、はじめてショットを放ったという。ニクラウスによると、成功したショットの大半の半分はイメージの力、4割がセットアップによるもきで、スイングは残りの1割でしかないという。

「まずはビジョンを作ること、それがすべてです。そこにビジョンを――特に美しいビジョンを見ることができれば、そこから『願望というパワー』が生じます。私の場合で言えば、ステージに立つ自分の雄姿をありありと思い浮かべていたからこそ、ミスター・ユニバースになりたいという自分の希望を実現できたのです」アーノルド・シュワルツェネッガー

あなたが自分の生活を、良いほうへ変えようと決意するとしよう。大きな変化をもたらすことも可能だろう。ただしそのためには、マステリーの道を歩みながら規則的に練習・実践を続けていくことが必要だ。

どんな変革の道を旅しようとする者であれ、有意義な活動を多少足りとも規則的練習しなければ、落ちつきや安らかな気持ちをえることはできない。

練習は習慣であり、何かを規則的に練習し続けていけば、変化という不安定な状態の中にあっても安定のベースとなるような、基礎的なホメオタシスがえられる。

書物に向かうことだけが学習ではない。われわれはこのことを忘れてしまいがちだ。学ぶとは変えることである。教育とは、その手段が書物であれ、肉体や行動を通してであれ、すべて学ぶ側を変えていくプロセスなのだ。大学を卒業したら学問は終わりだとか、40を過ぎたら、60、80を過ぎたら学ぶのは終わりだというのではない。

「私は大事にされたいとは思わない。どんどん私を使ってもらいたい」ゲシュタルト・セラピーの創設者フレデリック・S・パールズ

「企業を活性化する最上の方法は、社員が互いに本音を言うことである」ウィル・シュッツ博士

一つの目標を選ぶとは、多くの選択可能な他の目標をあきらめることである。


結局、自由とは制限を受け入れることでやってくるのだ。全部は実行できないが、一つだけなら実行できる。そしてもう一つ、また一つと行動することができるのだ。

エネルギーの観点からみれば、謝った選択であっても何もならないよりはましである。

まずは今日、今週、今月、そして生涯の行動に優先順位を設定することから始めよう。

最初は小さなことから始める。今日と明日にやろうと思う項目をすべてリストアップし、各項目を優先順位にしたがってA、B、Cのカテゴリーに分類する。最低でもAは確実に実行する。それから長期の目標についても同じようにやってみる。

優先順位は変わることだってあるし、自由に入れ替えも可能だ。しかし、やりたい行動をきちんと書き留めておくだけでも生活にめりはりができ、そしてそのめりはりが活力を創り出す。

第1部 達人の旅
第2部 達人への五つのキーポイント
第3部 マスタリーへの旅じたく

達人のサイエンス―真の自己成長のために

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