第287冊目 影響力の武器 実践編 「イエス!」を引き出す50の秘訣

影響力の武器 実践編―「イエス!」を引き出す50の秘訣

影響力の武器 実践編―「イエス!」を引き出す50の秘訣

行動科学者のキップ・ウイリアムズらの調査によると、弁護士が相手側に指摘される前に自ら自分の申し立ての弱点に触れた場合、陪審員はその弁護士を誠実だと見なして信頼を置き、評決に当たってその主張に対する支持がましました。

転職志望の人には耳寄りな話ですが、採用に関する調査では、履歴書に長所ばかり並べ立てる応募者よりも、最初に短所や若干の不得意を明らかにしてから長所に触れる人のほうが、面接に呼ばれる確立が高くなることがわかっています。

社会科学者のフィオナ・リーらの説では、失敗の原因を組織の内部に求めることは、一般敵なイメージだけでなく収益の点から見ても有利に働きます。内部の制御可能なミスが原因だとすることで、組織はそれ自体の資源と将来設計をしっかり把握しているように見えるからです。また、その組織は問題の原因となった点を改善するだろうと予測されるためでもあります。

自分の間違いに気づいたらそれを認め、ただちに行動計画を立てて、自分には状況の把握と正常化が可能であることを示すべきです。そうした行動をとれば、有能で誠実だという評価が得られ、最終的には自分の影響力をより高めることができるのです。


リック・ファン・バーレンの研究では、ウェイターが注文を客の言葉通りに繰り返すとチップが増えるという説が検証されています。言い換えも、うなずくのも、「はい」もなしで、ただその注文を一語一語繰り返すだけです。ある調査では、客の言葉と全く同じに注文を繰り返しただけで、ウェイターに支払われるチップが70%も増えました。

不便を感じさせて高める説得力
バンドワゴン効果をパワーアップ
社会的証明の思わぬ落とし穴
「平均値の磁石効果」を防ぐには?
選択肢が多すぎると買う気が失せる
特典のありがたみが薄れるとき
上位商品の発売によって従来品が売れ出す不思議
恐怖を呼び起こす説得の微妙な効果
チェスに学ぶ、うまい一手
影響力をしっかり貼り付けるオフィス用品 ほか

影響力の武器 実践編―「イエス!」を引き出す50の秘訣

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