第278冊目 出会いをドラマに変える2分の法則 第一印象の心理術 /植木理恵/著

出会いをドラマに変える2分の法則―第一印象の心理術

出会いをドラマに変える2分の法則―第一印象の心理術

アメリカの心理学者ロジャースは、カウンセラーの態度として、「絶対的な肯定態度」と「真実性」と「共感性」が大切だと述べています。

A「第一印象は2分で決まります。もうそれは絶対的な事実です。なぜなら、○○という実験がその証拠ですし、××という学者もそう述べています。それに、心理カウンセラーである私の経験からも、間違いないと断言できるのです」

B「第一印象は2分で決まります。2分なんてさすがに信じられないですよね。短すぎる。ところが、○○という実験ではそれが示されているのです。って、こんな実験だけ見せられても、やっぱり腑に落ちないですよね。そこで、私のカウンセリングの話を聞いてください」


2つとも同じ内容を言っていますが、Aは、「一人ツッコミ」なし。Bは「一人ツッコミ」ありバージョンです。いかにも自信たっぷりに聞こえるのはAですが、結果的に説得力があり、しかも好印象をもたれるのは、だんぜんBのほうなのです。

学生や記者がエッという感じで、興味深げに私の顔をのぞき込むきは、いつも、この「一人ツッコミ」をした瞬間です。そして必ず、「今日は本当に価値のある話が聞けたし、すごく納得できました!」みたいに錯覚し、感激すらしてくれるのです。

タメ口と敬語、これを「混ぜこぜ」にして使う。

じゃあここでまた、涙をのんで、マイスター自らのウラ技を伝授いたしましょう。私のシーン1はいつもこんな感じ、まず、相手がいかに偉い先生であろうとも、「あ、どうもこんにちは! 今日って、けっこう暑くなかったですかあ?」みたいな、おい、友だちかよ、と言われそうなカジュアルな口調から入ります。いかにも人なつっこいスマイルでね。

そして相手が、「あ、ええ、そうですね」とビミョウな笑みを浮かべて面食らったそのとき、「今日はお時間を割いていただいて、感謝しております。どうぞよろしくお願いします」と、今度は一転、神妙な顔つきで、相手の目をグッと見上げ、丁重にイスをすすめたりするのです。

第1章 第一印象は2分が勝負!そのメカニズムとは(人は出会って2分で飽きる
2分を制するものは人生を制す ほか)
第2章 出会いをドラマに変える3つの準備体操(めったに踊ってはいけない
フィーリングを大事にしてはならない ほか)
第3章 「はじめまして」から2分で演じる5つのシーン(アンニュイを準備する1 イメトレをやめる
アンニュイを準備する2 くだらないことばかり考える ほか)
第4章 会うたびにささやいて!2分1秒からのダメ押し「3大メッセージ」(人をひきつけて一生離さない心理テクニック
第1メッセージ「私は使える人です」1 知性とは、「1人ツッコミ」 ほか)

出会いをドラマに変える2分の法則―第一印象の心理術

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