第226冊目 人を見る目がない人 なぜ人は人を見誤るのか? 著者/訳者名 植木理恵/著

人を見る目がない人 (セオリーブックス)

人を見る目がない人 (セオリーブックス)

私たちは個人的な知識やエピソード記憶によって、初対面の相手に対する印象の大部分を方向づけることがある。あるがままのデータを収集するボトムアップ処理よりも、自身の不安、期待、過去の体験という「フィルター」を通してものを見る、トップダウン処理(推論)の傾向が極めて高い。

「瞳孔の大きさ」がポイント。鼻の高さや髪の色などはあまり関係ない。とにかく瞳の大きい人、黒目の輝いている人が「天真爛漫」「優しい」と推定される。

「サマーキャンプ実験」
この実験は、高校生に数日間の合宿をさせるものである。その際、互いに競い合わせるようなイベントばかりを用意すると、数日後には、互いのパーソナリティを「ずるい」「きたない」と極端に悪意に解釈するようになってくる。

とにく、「見た目」「学歴」「出身地」の3つは、相手の「能力」のみならず、「パーソナリティ」についての印象形成に、大きな影響を与えやすいことを熟知しておく必要がある。

ペーシング…自分がしゃべればしゃべるほど、相手とウマが合っていると思いやすい。

スティンザー効果…隣に座った人、90度横向きに座った人には、こころを許しがちになる。

アンダーマイニング効果…内発的モチベーションは褒めセリフで簡単にシフトし、見る目を甘くする。

両面提示効果…「ポ・ポ・ネ・ポ」の順で、ひとつだけネガティブ要素を入れておくとかえってポジティブな印象に。

メタ認知…自分を客観的に見せながら(突っ込みながら)話されると、妙に説得されやすい。

モデリング効果…自分が叱られるより、それを見せられるほうが、こころにのこりやすい。

スリーパー効果…時間が経過かするほど、怪しい人の話は信じやすく、信憑性の高いひとのそれは疑いやすくなっていく。

フレーミング効果…信じやすいのは、いい話のときは大きな断定数値。悪い話のときは分析数値。

ランチョン・テクック…何か口の中に入れながら聞いた話は信じ込みやすい。

50%効果…人は、非の打ち所のない人より、半信半疑に思うくらいの相手に強くひかれがち。

カリギュラ効果…禁止されたモノや人にはひかれる。

ザイガルニック効果…話を途中で打ち切られると、その人が気になって仕方がなくなる。

リアクタンス効果…期間や個数の限られたモノ、限定的な人は、よく見える。

代替案効果…比べる人を代えるだけで、人の評価は簡単に上がったり下がったりする。

間欠効果…いつも褒めてくれた人が、突然、たまにしか褒めなくなると、もっとその人のために尽くしたくなる。

ダブルバインド…言っていることと、やっていることが違う人に、興味津々。

ロー・ボール・テクニック…「乗りかかった船」からは人は降りにくい。

第1章 人は、なぜ人を見誤るのか―期待はずれが頻発する理由(1回めの見誤り―インプットの罠
2回めの見誤り―アウトプットの罠
人を見間違わない方法)
第2章 こうして人は騙される―人を見誤らせる心理術、30の罠(「この人はいい人だ!」―心を開かせ、油断させる六つの罠
「これは納得のいく話だ!」―人がたやすく説得される六つの罠
「こんな貴重なものはない!」―魅了され、独占欲を煽られる六つの罠 ほか)
第3章 さらば間違いだらけの「人選び」―できる人を見抜く心理学(頭のいい人・悪い人
伸びる人・見かけ倒しの人
使える人・使えない人 ほか)

人を見る目がない人 (セオリーブックス)

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