第188冊目 もったいない主義 不景気だからアイデアが湧いてくる! 著者/訳者名 小山薫堂/著

なんでもないものを輝かせて見せるのが「ブランド」

大学で過ごす四年間にどういう大人と出会うかによって、進路を決定することは多いのではないでしょうか。

どれだけ感情移入しているかで価値がきまる。

ロサンゼルスのレストランで、アメリカのテレビドラマで有名な役者と隣り合わせたことがあります。一緒にいたアメリカ人は、「すごいすごい」と興奮しているのですが、僕はその俳優を知らないから、「おっさんがメシ食ってるのを見るのが、そんなにうれしいかな」と思う。それは彼が価値を知っているか、知らないかの違いです。

企画を考えたり実施したりするチャンスは日常の中にたくさんある。それに気づくか気づかないかで、人生の楽しさは大いに変わってくると思います。

失敗をどうフォローするかによって、逆に相手にすごく好印象を与えることができる。

僕の誕生日のサプライズ返しか始まる直前に、僕の秘書が僕の車をぶつけてライトカバーを破損させてしまったという事件がありました。もちろん彼女は真っ青です。でも僕は、「いいよ、この車キズを見るたびに、今日の楽しいひとときを思い出すじゃない」っと言って、全然怒らなかった。

「お前、一番時間があるのに、なんで人を説得しようとする気にならないんだよ? 忙しくても一生懸命いくつも考えてきたやつがいるのに、お前は暇なのに適当にやってる。それに腹が立つんだ」

「ちくしょう、なんだよアイツ」と思っていたって何が生まれるわけでもないから、そこにエネルギーを費やしてもしょうがない。

健康なときに健康のありがたさを気づけたら

若いときは人脈などなくて当たり前だし、有名な人と親しくなることが必ずしもプラスになるとは限りません。でももし人脈を広げたいと思っている若い人に僕があえてアドバイスをするとしたら、まず、自分から接近してみることです。そうしないことには、接点が生まれない。

過去の失敗のをそのままにしておくのはもったいない。

頼まれてもいないのに頭のなかで勝手にプランを考える行為を、僕は「勝手にテコ入れ」と呼んでいます。これは、イデアを考える訓練としては最適で、僕はいつも目に入ったものを片っ端から「勝手にテコ入れ」しています。
視点をスイッチすることによって、新しい価値が生まれることに、心のどこかで気がついていたのかもしれません。

僕はよく石とか虫とか、人間以外のものに感情移入することがあります。

電車に乗るたびにまわりの人が読んでいる本をチェックするきがクセになりました。

チャンスの種は誰の前にも同じようにたくさん転がっています。あなたにはそれが見えている。見えていないのに拾わないのは、本当に「もったいない」。

プロローグ 「受付しかしない受付嬢」はもったいない
第1章 企画って何だろう?
第2章 ネガティブ・スイッチを切り替える
第3章 小山薫堂式アイデアのつくり方
第4章 幸せの閾値を下げる
エピローグ 地下鉄日比谷線で出会った二人の話