第185冊目 金融屋 借金漬けにされる消費者たち 著者/訳者名 笠虎崇/著

金融屋―借金漬けにされる消費者たち

金融屋―借金漬けにされる消費者たち

サラ金は慈善事業ではない。貸した金に高利を上乗せしたものを、絶対に回収できると踏まなければ融資することはできない。

世の中にそうウマい話があるわけがない。まして、借金まみれの人間に、だれがウマい話など持ちかけるだろうか。

連帯保証人という言葉を聞いたことがある人は多いと思う。だが驚くべきことに、多くの人がその意味を分かっていない。そのため軽はずみに連帯保証人になって、自分がしたわけでもない借金を背おって破滅の道を歩むひとが後を絶たない。

「冗談はよしてください。あなた、自ら実印ついてサインしているんですよ。まったく子どもじゃないんだから。保証人と連帯保証人の違いにも知らずにハンコ押しちゃったら、世の中、通りませんよ」

連帯保証人には絶対になってはいけない。家族に頼まれても断固として拒否するべきだ。

ある調査によると、自己破産した人の10人に1人が「保証人になった」ことが理由だという。

一度、クレジットカードやサラ金に手を出したが最後、借金は雪だるま式にあっという間に増えていく。

「一番大切なのは、イメージなんや、イメージ。ワシらはそのイメージでメシを食うてんのや」

サラ金に勤めて、痛感したことがある。それは、日本人は金融や法律についてあまりに勉強していないということである。

サラ金か最もカモにしやすいのは、実は資産家である。

法務局に行けば、誰でも不動産の登記簿を調べることができる。

金融の実態を知っている人間にとってみれば、日本の銀行ほとお国に守られつつ、庶民にひどいことをするあくどい商売はない。

貸した金を回収できなければ、サラ金というビジネスは成り立たない。

金融屋は同業者には金を貸さない。相手に金融のノウハウがあると、返せなくなった場合に思わぬ手段で対抗してくる可能性があるからだ。

街金業者…調達金利18%、融資金利39%、利益20%
大手サラ金…調達金利5〜6%、融資金利25%、利益20%
銀行…調達金利0.01%、融資金利5〜6%、利益5〜6%

人間心理をよく理解したビジネス、それがサラ金なのである。

「ここだけは覚えておくんやで。客になめられたら金は返ってこない。法に触れない範囲でとれだけ客をビビらせておくか。それが回収の極意なんやで」

取りたての極意、それは、「役者になる」こと。

公務員はサラ金にとって最上の部類の客である。

死ぬ覚悟がないやつはサラ金で借りるな。

サラ金の審査は世間で思っている以上に厳しい。

第1章 ギャンブル、連帯保証人、クレジットカード 人はこうしてドツボにハマる(人はこうしてドツボにハマる―ギャンブラー編
人はこうしてドツボにハマる―連帯保証人編 ほか)
第2章 目からウロコが落ちる サラ金の誤解(大手サラ金にヤクザみたいな人はいない!?
ヤクザを使うのは客の方や ほか)
第3章 知らなきゃあなたも騙される サラ金のカラクリ(金貸しはサービス業や
客の嘘を一瞬で見抜くのがサラ金の仕事や ほか)
第4章 一度借りたら地獄行き 借金漬けの懲りない面々(死ぬ覚悟がないやつはサラ金で借りるな
後で泣きつくから家族も借金漬けにされる ほか)
第5章 債務者の死肉に群がる サラ金な人々(融資する人間と取り立てする人間は別部隊や
紹介業者は法律で認められているんや ほか)

金融屋―借金漬けにされる消費者たち

金融屋―借金漬けにされる消費者たち