第184冊目 プロフェッショナルの条件 いかに成果をあげ、成長するか 著者/訳者名 P.F.ドラッカー/著 上田惇生/編訳

仕事について初めに知っておくべきことは、自分が読む人間か、それとも聞く人間かということであくる。

世の中には読み手と聞き手がいること、しかも、その両方であるという人はほとんどいないということは知らない人が多い。自分が、そのどちらかであるか認識している人はさらに少ない。

強みと仕事の仕方が合わないことはあまりない。両方は密接な関係にある。ところが、強みと価値観が合わないことは珍しくない。よくできること、特によくできること、恐ろしくできることが自らの価値観に合わない。世の中に貢献しているとの実感がわかず、人生のすべて、あるいはその一部を割くに値しないと思われることかある。

大組織で成果をあげられないと分かったならば、いかによい地位が約束されていても断らなければならない。

最高のキャリアは、あらかじめ計画して手にできるものではない。自らの強み、仕事の仕方、価値観を知り、機会をつかむよう用意して者だけが手にできる。なぜならば、自らの得るべきところを知ることによって、普通の人、単に有能なだけの働き者が、卓越した仕事を行うようになるからである。

計画は紙の上に残っているか、やるつもりのままで終わる。実際に行われることは稀である。

知識労働者が成果をあげるための第一歩は、実際の時間の使い方を記録することである。

やめても問題のないことをいかに多くしているかは驚くほどである。

地位や仕事を問わず、時間を要する手紙や書類の四分の一は、ゴミ箱に放り込んでも気づかれもしない。そうでない人にお目にかかったことはない。

優先順位の分析については多くのことがいえる。しかし、優先順位と劣後順位に関して重要なことは、分析ではなく勇気である。

個人営業の税理士は、いかに有能であっても、対人関係の能力を欠くと重大な障害になる。だがそのような人も、組織の中にいるならば机を与えられ、外と接触しないですむ。組織のおかげで、強みだけを生かし、弱みを意味のないものにできる。

読む人に対しては、口で話しても時間の無駄である。彼らは、読んだあとでなければ、聞くことができない。逆に、聞く人に分厚い報告書を渡しても紙の無駄である。耳で聞かなければ、何のことか理解できない。

仕事ができるようるなろうとする者は、必ずできるようになる。成果をあげることは、身につけられるし、身につけなければならない。

1 いま世界に何が起こっているか
2 働くことの意味が変わった
3 自らをマネジメントする
4 意思決定のための基礎知識
5 自己実現への挑戦