第115冊目 アイデアのちから 著者/訳者名 チップ・ハース/著 ダン・ハース/著 飯岡美紀/訳

アイデアのちから

アイデアのちから

(1)単純明快である(Simple)
イデアの核となる部分をどうやって見極めたらいいのだろうか。ある有能な弁護士によれば、「論点が10項目もあると、1つ1つはもっともであっても、法廷を一歩出たとたん、みんな忘れてしまう」という。枝葉を削ぎ落として幹を残すには、腕利きの庭師になることが必要だ。きっぱり優先順位をつけること。短ければいいというものではないし、インパクトが強いだけのものも好ましくない。理想はことわざである。単純明快であって、しかも重みや深みがなければならない。

(2)意外性がある(Unexpected)
イデアに感心を持ってもらうには、どんすればいいのか? アイデアを理解させるのに時間がかかる場合、どうやって興味を持続させるのか? それは、予想を裏切る必要がある。相手の裏をかくのだ。驚きという感情には、警戒心と集中力を高める機能がある。だが、長続きはしない。

(3)具体的である(Concrete)
イデアをきちんと理解してもらうには、どうすればいいのか? 人間の行動や五感を通してアイデアを説明する必要がある。ビジネスコミュニケーションの多くは、ここでつまずく。

(4)信頼性がある(Credible)
イデアを信じてもらうには、どうすればいいのか? 公衆衛生局長官だったC・エペレット・クープが公衆衛生問題について話せば、人は疑いもせず信じた。たが日常的な場では、多くの人はこうした権威を使えない。アイデアを記憶に焼きつけるためには、イデア自体に信頼性がなくてはならない。

(5)感情に訴える(Emotional)
イデアに心をかけてもらうには、どうすればいいのか? それちは、相手の感情を掻きたてればいい。映画館のポップコーンでは、不健康に対する嫌悪感をかき立てた。「37グラム」という統計値は何の感情にも訴えない。

(6)物語性(Story)
イデアを行動に移してもらうには、どうすればいいのか? 物語を伝えればいい。消防士は消火活動を終えるたびに体験談を交わす。そうすることで、経験値を何倍にも増やしているのだ。調査によると、ある状況を頭の中でリハーサルしておくと、実際にその状況になったとき、適切な行動ができる。同様に、物語を聞くことによって、頭の中で飛行シミュレーションと同様に、迅速かつ効果的に対処するための備えができる。
頭文字をつなげてSUCCESSs(サクセス)の法則と著者たちは呼ぶ。

目次

序章 アイデアのちから
第1章 単純明快である
第2章 意外性がある
第3章 具体的である
第4章 信頼性がある
第5章 感情に訴える
第6章 物語性

アイデアのちから

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