第10冊目 記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方 (ブルーバックス) (新書) 池谷 裕二 (著)

神経細胞はダメージに弱い。頭を強く打ったりすると、いとも簡単に大量の神経細胞が死んでしまいます。

神経細胞は約1000億個もある。

記憶の三箇条
1. 何度も失敗して繰り返すべし
2. きちんと手順を踏んで繰り返すべし
3. まずは大きく捉えるべし

マイナス方向に自己暗示をかけてしまう行為は、正常な記憶力を妨げてしまう

たいていの人は一見抜群の記憶力を誇る頭脳を持っているように見えても、それは単に記憶するコツを心得ているにすぎません。要領よく記憶しているだけなのでです。もちろん、そのコツとは「法則性をつかむ」こと、そして「理解して覚える」ことにほかなりません。つまり、記憶力とは本人の心がけ次第なのです。


語呂合わせにもコツがあります。ただ見て覚えるのではなく声に出してみるということです。なぜなら、目の記憶より耳の記憶のほうがこころに残るからです。

語呂合わせを言葉の音声のリズムだけで覚えるのではなく、言葉の意味していることをきちんと「想像」することもまた大切です。そうすることによって、記憶はさらに補強されます。そのためには多少の時間がかかっても、やはり語呂合わせう自分でつくるのがよい方法です。そして、できる限り語呂合わせの意味している状況を具体的に想像するのです。

想像すれば想像しただけ、はるかに記憶に残りやすくなります。

仮にやむを得ない状況になったとしたら、前日の深夜に詰め込むよりも、当日の早朝に詰め込んだほうが、テストまでに覚えられる確率が高くなるということになります。

エビングハウスはさらに、どれほどの間隔をあけて復習するのがもっとも効果的なのかということも調べています。彼の実験によると、一ヶ月以上空けてしまうと、二回目のテストを行っても記憶力はほとんど補強されません。どうやら、無意識の記憶の保存期限は一ヶ月程度のようです。

テストの直前に徹夜で詰め込んだ知識が,すぐに忘れ去られてしまうことは、皆さんもきっと経験していることでしょう。十分な睡眠をとったほうか効率よく記憶されるのです。