第3332冊目 「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫)  ジェフリー・フェファー (著), 村井 章子 (翻訳)


「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫)

「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫)


間をとる。
間をとることによって聴衆に強い印象を与え、賛同を促し、場合によっては拍手を誘導することができる。「結論部に入る前に間を置き、それからおもむろに最後の決め台詞を言う。芸人がよくやる手だが、なかなか効果的だ」


論点を箇条書きに書き出してみる。
三項目程度が望ましい。「三カ条リストの主な効用は、自分の意見に一貫性を持たせ、完結した理論として展開できることである」また、「申し上げたいことは三点あります。第一に……」のように話せば、あらかじめ準備し論点を整理してきたこと、問題を多角的に見当してきたことを聞き手に示す効果もある。


下書きやメモを使わない。
とくに演説で原稿を見ずに話せば、テーマを熟知しており即興で話しているとの印象を与えることができる。さらに、聴衆とアイコンタクトをとれるという利点もある。アメリカ映画協会のジャック・バレンティはたびたび議会証言に呼ばれたが、けっしてメモを用意しなかった。たいていの人はメモを見ながら答えているが、自分がそうしなかったのは、生きた自分の言葉で当意即妙の受け答えをしたかったからだと話している。「自分が精通している分野についてメモなしで五分間しゃべれない人は、ちゃんと仕事をしていない証拠だね」と彼は辛辣だ。