第3256冊目 家族のためのユマニチュード: “その人らしさ”を取り戻す、優しい認知症ケア  イヴ・ジネスト (著), ロゼット・マレスコッティ (著), 本田 美和子 (著)


家族のためのユマニチュード: “その人らしさ

家族のためのユマニチュード: “その人らしさ"を取り戻す、優しい認知症ケア

  • 触れる


ご家族の介護をしている方がとりわけ難しくお感じになるのが、「触れる」技術です。触れるときにも、「見る」技術、「話す」技術と同じように、触れる手が相手にたくさんのメッセージを伝えている、ということを意識しながら行います。


触れる手は相手にメッセージを伝えている


体を拭いたり、着替えたりするなどの日常的な介護で相手の腕を持ち上げようとするとき、人は、自分が相手をついつい、つかんでしまっていることに無自覚です。誰かにつかまれたとき、人は自然な反応として「この人に強制されて、自分の自由が奪われている」、「何か罰を受けている」ように感じてしまいます。これでは、介護を受ける人が「自分が大切にされている」と感じることができません。