第3252冊目 家族のためのユマニチュード: “その人らしさ”を取り戻す、優しい認知症ケア  イヴ・ジネスト (著), ロゼット・マレスコッティ (著), 本田 美和子 (著)


家族のためのユマニチュード: “その人らしさ

家族のためのユマニチュード: “その人らしさ"を取り戻す、優しい認知症ケア

  • 同じことの繰り返しは不安の表現


今答えたばかりの質問を何度もくり返ししてたずねられると、誰でも心穏やかではなくなってしまいます。「さっきも答えたでしょう!」などの強い口調になってしまうことも、誰もが経験することです。


実は、同じことを何度もたずねたり、同じ行動をくり返しているときは、ご本人が感じている不安の表出でもあることが多いのです。別に何かを知りたいわけではないのかもしれません。そんなときには、何が不安の材料になっているのかを考えて、それを取り除くように工夫したり、また、質問と関連のある、しかし少し異なった楽しい話をすることで落ち着くことがあります。


たとえば、時間をたずねられたとき、「あ、お茶の時間ですね。一緒に休憩しましょう」と誘うのも有効です。何かをしなければならないと思いながら「何をしたらよいかわからない」、「どうしたらいいのかわからない」、と思っていらっしゃるのであれば、「一緒にこれをやってみましょう」と簡単なことを具体的に提案するのも解決につながります。