第3241冊目 家族のためのユマニチュード: “その人らしさ”を取り戻す、優しい認知症ケア イヴ・ジネスト (著), ロゼット・マレスコッティ (著), 本田 美和子 (著)
家族のためのユマニチュード: “その人らしさ"を取り戻す、優しい認知症ケア
- 作者: イヴジネスト,ロゼットマレスコッティ,本田美和子,Yves Gineste,Rosette Marescotti
- 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
- 発売日: 2018/08/24
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
- ケアの準備「良い関係を結ぶ」
入口のノックの後で相手に近づいていいますが、これが2番目のステップ「ケアの準備」の始まりです。ここで大切なのは「顔が向いている方から近づく
」ということです。認知症をお持ちの方は認識できる範囲が狭くなっていきます。このため、自分をより認識してもらえるように、相手の視野の中心に入ることを意識しながら近づいていきます。ノックの返事がなかったときには、相手により近づいて、ベッドボードや椅子の肘掛けをノックすることで、改めて「私が会いに来ましたよ」と伝えます。
最初からケアの話はしない
ケア(たとえば、着替えやオムツ替え、食事の介助など、何でも)をするつもりで部屋を訪れた場合、いきなりケアの話をしないことも大切な技術です。友達の家に食事に招かれたとき、ドアを開けてもらってすぐに「ごはんを食べよう」とは言わないとの同じです。会えてうれしい、という気持ちをまず伝えます。ここで、ユマニチュードのコミュニケーションの柱である「見る」「話す」「触れる」技術を存分に使い、相手とのよい関係を築きます。