第3207冊目その話し方では軽すぎます! 矢野 香 (著)


その話し方では軽すぎます!  エグゼクティブが鍛えている『人前で話す技法』

その話し方では軽すぎます!  エグゼクティブが鍛えている『人前で話す技法』

  • 疑問を持つことで、三つの効果を得られる


第一印象の大切さは今更申し上げるまでもありません。心理学で初頭効果といわれるように、第一印象の影響はとても強く、最初に好印象を与えた人はその後の行動もなにかにつけてよく解釈されますが、悪印象だった人はその後も悪い方に捉えられてしまう傾向があります。


人前に出るときの第一印象で、クラス感を表現し、「この人できるな」と一目置かれる登場の秘訣とは何か。


それは、人前に疑問を持って登場することです。


例えば、スピーチを頼まれたとします。司会者に「続いては○○さん、どうぞ」と紹介され、自分の席を立ち上がる。お辞儀をしながら前に進み、壇上の中央に置かれたマイクの前で、もう一度礼。顔を上げると、そこにはこちらを注目した人の顔、顔、顔。緊張して冷や汗がドッと出た。そんな経験はありませんか。


この時点で、聞き手に与えた第一印象は、「スピーチでドキドキしている頼りない人」です。一言も発していないのに、すでに聞き手には印象が形成されているのです。


そうならないためには、どうすればいいか。


疑問を持って人前に出ればよかったのです。。


これによって得られる秘訣は三つです。まず、アイコンタクト、次にアイブローフラッシュ、最後に笑顔です。


疑問とは、いままでは、客席から前方を見ていたからわからないことの答え、マイクの前から客席を見るからこそ解決する疑問です。


「今日は何人ぐらいの人が集まっているのかな」
「最前列の人は男か、女か。どんな顔かな」
「後ろの人は立ち見なのかな、席が足りているのかな」


これらの疑問を抱きながら、マイクの前に立つのです。