第3198冊目その話し方では軽すぎます! 矢野 香 (著)
- 作者: 矢野香
- 出版社/メーカー: すばる舎
- 発売日: 2012/09/01
- メディア: Kindle版
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- 「敬語」は控えめに、中立的な表現を
なかでもニュースは中立的な表現を心がける必要があります。そのため皇室原稿と呼ばれる皇室関係の話題以外では敬語はあまり使いません。文の最後を「です」「います」「ましたが」「ましたので」にすることを基本にしているだけです。その他の敬語は基本的に使いません。
敬語は、使用しなさすぎると横柄な感じを与えますが、過剰敬語で謙遜しすぎても慇懃無礼な感じを与えます。そこで、どの程度の敬語を使えばいいのか、という悩みが出てくるわけです。
信頼される立場のエグゼクティブの皆さまには、ニュース原稿と同じレベルの敬語を取り入れていただくことをお勧めします。中立な立場、公的な立場であるからです。堂々と、しかし威張りすぎることなく、かといって誰に媚びるでもなく、中立でいていただきたいのです。
「中立的な敬語」のポイントは、全体に敬語を使うのでなく、文末でのみ敬語を使うことです。
×「そちら様のご予定は、いかがでございますでしょうか?」
○「そちらの予定は、いかがでございますか?」
前者のように全体に敬語を散りばめると、かえって慇懃無礼に聞こえてしまいます。このため、後者のように文末にだけ丁寧にするのです。
とにかく言葉に「お」や「ご」をつけて文末を敬語にしよう、という安易な考えが、敬語を散りばめるという間違いを生み出します。慇懃無礼に聞こえるだけではなく、謙譲語の「お〜する」と混乱する可能性もあります。「お伝えしてください」「お尋ねしてください」など、そもそも文法として誤った敬語を口にしてしまうのです。
一つの文章の中に敬語を多用せずとも、文末が敬語になっていれば、その敬意は、文全体にかかっていると聞き手は理解します。くどい敬語よりも、文末のみで中立感を出すのがお勧めです。