第3190冊目その話し方では軽すぎます! 矢野 香 (著)


その話し方では軽すぎます!

その話し方では軽すぎます!

  • 事実と感情を分ける


次のステップは、話の内容を事実と感情とに分けて、「感情部分の発言は削除する」ことです。


日々のニュースの中でも、事実と感情を分けずに語ってしまっている会社のトップを見かけます。古くは二〇〇〇年、雪印の集団食中毒事件で、当時の社長が「私は寝ていない」と感情的な発言をしたのもこれにあたります。事実と感情を一緒に話したことにより、本来伝えたいはずの謝罪の思いが伝わらないばかりか、逆に不信感を与えて事実をより深刻にさせてしまったケースでした。


ご自身が語っている内容について、常に第三者の視点で冷静に、事実なのか、それとも自分の感情なのかを意識する訓練をしてください。意識さえすれば、「感情の言葉」にすぐに気がつくようになります。「感情の言葉」とは、「嬉しい」「許せない」「悲しい」「楽しい」などの個人の喜怒哀楽です。公の立場で発言しているときに、これらの言葉を言いそうになったらグッと飲み込んで、事実のみを語ってください。