第3185冊目その話し方では軽すぎます! 矢野 香 (著)


その話し方では軽すぎます!

その話し方では軽すぎます!

  • 「手本になる人物」は徹底して真似る


印象は、年齢、学歴などの目には見えない属性からも形成されます。その中でも職業は大きな要因の一つです。公務員、教師という職業を聞くと、真面目で誠実な人柄を想像するのが、その例です。


職業上の肩書と、実力に大きな差がある人は要注意です。マイナスの面をより大きく印象づけてしまう恐れがあるからです。


NHKでは仕事をはじめたばかりの頃の私の実力は、NHKキャスターという名刺の肩書には全く見合っていませんでした。女子大生が職場体験でアナウンサー業に挑戦しているように見えたかもしれません。「頼りない」という印象をお持ちになった人もいたはずです。


そこに「NHKキャスター」とう肩書が加わると、「NHKでニュースを読む人の割には、頼りない人だな」と評価されます。結果として、矢野香個人に対する印象は、「ものすごく頼りない人」と印象になるのです。


上司も困り果てていたのでしょう。ある日、「お手本となる人を探してみて」という指導を受けました。


要はモノマネです。モノマネをする人の条件は一つ、私と肩書が同じ人。そこで選んだのが、当時「NHKニュース7」を担当していた森田美由紀アナウンサーでした。


森田アナウンサーは、女性ではじめてNKKの午後7時からのニュースを担当し、局内でも「森田さんがニュースを読み間違えたのを聞いたことがない」と評判の「ニュースの森田」と言われた人です。