第3179冊目 一瞬で自分を変える法―世界No.1カリスマコーチが教える アンソニー ロビンズ (著), Anthony Robbins (原著), 本田 健 (翻訳)


一瞬で自分を変える法 (知的生きかた文庫)

一瞬で自分を変える法 (知的生きかた文庫)

  • いつでも自信がみなぎる状態をつくり出す「四つのカギ」


そこで、意識的にアンカリングを行う具体的な方法について考えてみよう。基本的には、二つの簡単な方法がある。


まず、アンカリングしようとしている人を、目指すべき理想的な状態に導き、それがピークに達している間に独特の刺激を何度も与えるというものだ。


たとえば、笑っている人は、身体全体が調和した状態になっている。その時に、何度かその人の耳を独特の方法でつまみ、同時にある音を聞かせる。


しばらくしてから、同じ刺激(耳をつまんで、音を聞かせる)を与えると、その人はまた笑い出すようになる。


自信がみなぎってくるアンカリングをするには、自分の思ったとおりにことが運んだ時のことを思い出してもらい、次にそれを追体験してもらう。そうすれば、臨場感とももにその時の身体の感覚がよみがえってくる。


その時、顔の表情や姿勢、呼吸など、生理状態にも変化が見て取れるはずだ。その状態が最高潮に達した瞬間を逃さずに、独特の刺激を何度か与えなければならない。


さらに効果的なアンカリングを行うには、その人をもっと時間をかけずに、自信のある状態にしてやるといい。


たとえば、自信がある時はどういう立ち方をするか見せてもらい、彼の姿勢が変わった瞬間に刺激を与える。


次に、自信がある時はどういう呼吸のしかたになるか見せてもらい、やはり同じ刺激を与える。さらに、自信がある時は自分自身にどう語りかけるかを尋ね、実際にその時の声音であなたに語りかけてもらう。


その時、また同じ刺激を与える(たとえば、相手の肩の同じ場所に、同じような触れ方をするといった刺激)。


アンカリングをする時の「四つのカギ」は次のとおりである。このちのどれかが欠けてもうまくいかない。


①効果的なアンカリングを行うには、刺激を与える時に、心身共に調和し、充実していなければならない。そういう高揚した状態であればあるほどアンカリングはしやすく、また長続きする。
②最高潮に達した瞬間に、身体の一部に刺激を与えること。早すぎても、遅すぎても、十分に高揚した状態をとらえることはできない。いつ最高潮に達したかは、その人の状態をよく観察し、本人に最高潮が近づいてきたら教えてもらってもよい。
③身体への刺激は特別なものでなければならない。脳に明確かつ間違えようのない信号を送る必要があるからだ。たとえば普通の握手などは効果的ではない。握手はしょっちゅうするものだからだ。しかし特別な握手(握り方や手の位置が普通と違うなど)なら話は別だ。視覚、聴覚、体感覚などの複数のイメージシステムを組み合わせると、より効果的である。たとえば、相手に触れるだけでなく、同時に独特の声の調子で語りかければ、より効果的にアンカリングできる。
④アンカリングを成功させるには、身体への刺激を正確に反復しなければならない。相手をある状態にし、肩胛骨あたりにある一点を押すというアンカリングを行ったなら、別のところを押したり、あるいは押し強さを変えりしてはいけない、そうすると、その人に刺激に反応しない。