第3175冊目 一瞬で自分を変える法―世界No.1カリスマコーチが教える アンソニー ロビンズ (著), Anthony Robbins (原著), 本田 健 (翻訳)
- 作者: アンソニー・ロビンズ,本田健
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2012/05/23
- メディア: 文庫
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- 「ペーシング」と「リーディング」で相手はあなたを拒絶できない!
効果的なミラーリングができるようになると、ラポールを築くだけではなく、相手のことが手にとるように理解できるようになる。加えてペーシング(歩調あわせ)とリーディング(誘導)と呼ばれる手法を使えば、相手を思ったとおりに動かせる。
ミラーリングが相手の「動き」に合わせるのに対して、ペーシングとは相手の「スピードやテンポ」に合わせていく。
また、リーディングとはミラーリングやペーシングで相手に合わせた後、頃合いを見て主導権を握り、自分のペースに誘導していくことである。
こんな例がある。数年前、私の栄養関係の事業が軌道に乗り始めた頃、ビバリーヒルズに住む著名な医者と近づきなった。
出だしでつまずいてしまい、彼はある企画についてすぐに決定を下すように求めてきた。しかし私は出張中で、しかもまずいことに決定を下せるのは私だけだった。
私のような若造(当時、まだ二十一歳だった)に待ちぼうけを食わされるのも気に入らなかったその先生は、ようやく私が出会った時にはすっかりへそを曲げていた。
私が彼のオフィスに入っていくと、彼は身体を固くして座っていた。身体中の筋肉が硬直していた。
私が向かい側の椅子に彼とまったく同じ姿勢で腰かけ、呼吸のリズムも彼に合わせた。彼が早口でしゃべったので、私も早口でしゃべった。彼が円を描くように右腕を振るという変わったクセを持っていたので、私もそれを真似た。
その時の状況とはお世辞にも良好とは言えないものだったが、話がこじれることはなかった。というのも、私が彼に合わせることで、ラポールを築くことができたからである。
そのうち、私は彼をリードできないか、試してみることにした。まず話す速さを落としてみた。すると彼もゆっくり話すようになった。
次に、私の椅子の背中にもたらかかった。すると彼も同じことをした。初めのうちは私が彼の真似をしていたのだが、ラポールが築かれると、彼のほうに私を真似させることが可能になったのだ。
最後は、最初に部屋に入っていた時に、彼に忌み嫌われていたのが嘘のようだった。
この先生に相手を私が行ったのが、ペーシングとリーディングである。
ラポールが高まると、相手も知らず知らずのうちにあなたの動きに同調するようになる。
相手の世界に入り込み、ラポールを築いたら、それを利用して相手をリードするのである。