第３１６４冊目　一瞬で自分を変える法―世界No.1カリスマコーチが教えるアンソニーロビンズ (著), Anthony Robbins (原著), 本田健 (翻訳)

大小さまざまな出来事や経験が信念を育む。誰にでも生涯忘れられない出来事があるだだろう。

強烈で、一生脳に焼きついてしまうような経験によって、人生を一八〇度変えてしまうかもしれない信念が形成される。

一三歳の時、私は大きくなったらスポーツライターやスポーツキャスターになりたいと思っていた。

ある日新聞で、有名なニュースキャスターのハワード・コセルが近所のデパートで新刊書のサイン会を開くという記事を目にした。

もしスポーツキャスターになるつもりなら、まずプロの話を聞いておくべきだと私は思った。

それなら第一人者の話を聞くのが一番だ。私は学校を早退し、借りたテープレコーダーを持って、母に車でデパートまで送ってもらった。

私が到着したのは、コセル氏がサイン会を終えて帰ろうとしている時だった。私は焦った。私以外にも、コセル氏に最後のコメントをもらおうと、新聞記者が群がっていた。

私はなんとかして新聞記者の腕の下をかいくぐって彼に近付こうと、電光石火で自己紹介をして、簡単なインタビューをお願いした。

十人以上いた記者たちを尻目にハワード・コセルは私とのインタビューに応じてくれた。

この経験によって、私の中で、可能性という概念が変わった。それだけではない。会いたいと思えば誰にでも会えるような気もした。

そして自分が望んでいることを素直に相手に伝えると、意外に大きな成果が得られることもわかった。

コセル氏の励ましもあって、私は新聞に記事を書くようになり、コミュニケーションの分野でキャリアを積むことができた。