第3142冊目 FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 ジョー ナヴァロ (著),‎ マーヴィン カーリンズ (著),‎ 西田 美緒子 (翻訳)


FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)

FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)

  • アーチ型に上がった眉、まん丸目玉


快適な気持ちを表現する目の表情はたくさんある。幼い子どもなら、母親を見たときに目が心地よさを物語るだろう。赤ちゃんは生後七二時間以内に母親の顔を追うようになり、部屋に母親が入ってくるだけで赤ちゃんの目が大きく開いて、関心と満足感を表現する。愛情あふれた母親も同じように心地よく見開いた目をしているので、赤ちゃんはその目を見つめて安らぎを得る。大きく開いた目は快適さのサインで、その人が快感を誘う何かを見ていることを伝えるものだ。


瞳孔が閉じるときは逆に、満足して快適に感じている人は瞳孔が開く。脳が、「今見ているものが大好きだから、もっとよく見せて!」と言っているわけだ。目に入ったものに心から喜ぶと、瞳孔が開くだけでなく、眉が(アーチ型に)上がり、目のまわりが広がって目が大きく見えるようになる。さらに、目をできるだけ大きくあけて、まん丸目玉と言われるほど大きく見開く人もいる。驚きや嬉しい出来事と結びつけられる大きな目だ。これもまた、心地よさを表す、重力に逆らう行動のひとつの形と言える。